奄美市・高齢者福祉及び介護保険計画策定委

高齢者福祉及び介護保険事業計画の策定について協議した委員会

「具体策不十分」と指摘
第9期計画の素案提示
人材不足への対応や介護支援で

 「第9期奄美市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」(2024年度~27年度)の第3回策定委員会(稲源一郎会長、委員13人)が16日、市役所であった。これまでの協議で委員から出た意見などを基にまとめた計画のたたき台となる素案が示されたが、委員からは人材不足への対応や支援体制の強化のための具体策の提示について「不十分」といった意見が相次ぎ、さらに踏み込んだ内容の計画づくりが求められた。

 第9期計画について、市高齢者福祉課が計画策定の趣旨や法的位置づけ、市地域福祉計画など他の計画との関係性、計画策定にあたっての考え方などについて説明。市の課題として、▽地域とのつながりが少ない▽ボランティアの受け皿不足▽組織連携・周知・把握不足―などを指摘。社会環境の多様化などが進んでいることから、現状の制度・サービスでは問題解決に至らないケースなど問題が複合化・複雑化していることが指摘された。

 委員からは、第2回会合(7月12日)に続き、改めて介護現場の深刻な人材不足の状況を訴える声が相次いだ。

 委員からは「5年後、10年後の計画も重要だが、現場はすぐに効果が出せる対策を求めている。サービスを受けられず介護難民化しているケースも少なくない」といった意見や、「これまで同様の計画で具体策が乏しい。これまでにない新しい取り組みをしなければ結果は出せない」といった意見があった。また、小規模事業所間の人材交流や有償ボランティアの活用などを求める意見もあった。

 委員会は、大島郡医師会のほか、県看護協会、名瀬保健所、老人福祉施設協議会、奄美大島介護事業所協議会、老人クラブ、自治会の代表者らで構成。今年度末に期限を迎える第8期計画の課題などを踏まえ、来年度から10年間を期間する第9期計画の今年度中の策定を目指している。