県インバウンド誘致事業始まる

実証ツアー造成へ意見を出し合う参加者たち

訪日富裕層を取り込め
11月に実証ツアー

 インバウンド(訪日客)の回復本格化に合わせ、奄美大島への訪日富裕層の取り込みを目指す事業「第1回ツアー造成ワークショップ」が16日、奄美市名瀬のAiAiひろばで始まった。大島紬や黒糖焼酎、世界自然遺産など、奄美大島独自の自然や文化、アクティビティを感じる実証ツアーを造成し11月に販売。新たな目線で島の魅力や資源を磨き上げ、島のインバウンド誘客や消費拡大につなげていく。

 実証ツアーは観光庁の「観光再始動事業」の採択を受け、県が「奄美大島インバウンド誘致事業」として実施。訪日する高付加価値旅行者をターゲットに、7泊8日のツアー商品を実証し、新たなインバウンド観光の在り方を探っていく。

 造成メンバーは、奄美大島と喜界島の観光や行政関係者、民間事業者ら20人で構成し、事務局は、県やツアー会社、コンサルタント事業者らで組織した。今後は計9日間のワークショップや集合研修を通して、11月中旬頃に実証ツアーを実施。訪日富裕層を取り込むことで島の活性化を目指していく。

 この日は、キックオフイベントがあり、担当者らが事業の概要を説明した。メンバーらは自己紹介の後、ワークショップを通して地域の資源や課題を洗い出した。テーマやコンセプト設計に向けた意見やアイデアを出し合った。

 事務局で事業を管理運営する羽田未来総合研究所の柄澤太郎観光事業開発部マネージャーは「どう単価を上げていくのかが課題で、地元の理解を得ながら長期的な枠組みになることが重要。富裕層獲得に向け、今後につながっていくような新たな仕組みづくりができれば」とツアー造成へ抱負を話した。

 第1回ワークショップは18日まで。集合研修は11月7~10日、第2回ワークショップは同11~12日を予定している。