龍郷町子ども農業体験

泥まみれになりながらサツマイモを掘った子どもたち


仕事のあとは焼きイモを味わった

「先人の知恵を学んで」
イモ掘りと焼きイモ

 龍郷町は15日、同町浦のほ場(畑)で、5月に町内の児童・生徒らが植え付けたサツマイモの収穫と焼きイモ体験を行った。子どもたちは、しっかり根を張ったサツマイモにてこずりながらも力いっぱい引き抜き、皮が黒くなった焼きイモをおいしそうにほおばっていた。未就学児や保護者を含む52人が参加した。

 植え付けは、2023年度かごしまの〝食〟推進事業「子ども農業体験」として5月21日に行われた。同町内の小中学校6校の児童・生徒45人と保護者らが参加、約20㌃のほ場の半分に、サツマイモ(紅はるか)200本、トウモロコシ(スイートコーン)約900本を植え付けた。トウモロコシは、台風などの影響で花が咲く前に倒れ枯れてしまったという。

 今回の収穫体験は、植え付けに参加した人を対象に行われた。子どもたちは、事前に葉が取られたサツマイモの茎を両手で握り悪戦苦闘、職員や農業委員会の手を借りながらなんとか引き抜いていた。

 龍瀬小3年・外薗希和(きいな)君(9)は「イモを抜くのは大変だった。おばあちゃんが料理上手なので、何か作ってもらう」と自分で掘ったサツマイモを大事そうに抱えていた。

 畑の一角では、町職員らによって焼きイモが準備され参加者に振る舞われた。

 龍北中1年・辺木凪沙さん(13)は「おいしかった。畑仕事をしたことがなかったのでわくわくして楽しかった」と話した。

 今回収穫したサツマイモの茎は、来春の収穫用にさし穂として使われた。指導した農業委員の岡山チカコさん(78)は、「先人は3月、5月の節句、種おろしのために逆算してイモを植えていた。こうした知恵も一緒に学んでほしい」と話した。 

 迫地政明農林水産課長は、「トウモロコシの枯死は、農業の困難さを教えてくれる」と体験事業の意義を伝えていた。