大高2年の麓さん シンガポール派遣を報告

自作した奄美をPRするTシャツを手に体験談を報告する大島高校2年の麓さん(右)

異文化交流で「価値」実感

 県青少年海外ふれあい事業・シンガポール交流コースの派遣団員、大島高校2年の麓笑幸(えこ)さん(17)が16日、県大島支庁を訪ね、現地での体験を報告した。シンガポールでは、島の食や唄、踊りを披露し異文化交流を楽しんだという麓さんは「人と人が分かち合える文化の大切な価値を知ることができた」と笑顔で話した。

 英検2級の麓さんは、さまざまな人種や言語が行き交うシンガポールに以前から興味があり、「海外の教育」をテーマに同校で取り組む総合的な探求の時間(課題研究)に役立てばと派遣団に応募した。9月20~26日の旅程で移動・滞在し、ホームステイしながらユースリーダー(若者世代)との交流や会食、民族文化地区の視察を経験。食や生活、風習の違いを実感したという。

 若者との交流に麓さんは「一緒に笑えた時は(心が)通じ合えたとうれしかった」などと報告。シマ唄や八月踊りを通じた交流については「奄美のこともたくさん伝えることができた」と振り返った。

 報告を受けた同庁総務企画部の伊瀬知強部長は長旅の労をねぎらい、「社会人に向けてもチャレンジし、体験を生かして後輩たちが続くように伝えていってほしい」と声を掛けた。

 11月には、シンガポールの派遣団員が来鹿し麓さんらが出迎える。同事業は県とシンガポールとの交流会議の合意に基づくもので、対面の交流は2019年以来。奇数年はシンガポール、偶数年は香港との相互交流を続けている。