21日、ヤングケアラー支援フォーラム

奄美で初開催の「ヤングケアラー支援フォーラム」参加を呼び掛ける倉井理事長

奄美の実態報告へ

 NPO法人こどもエンカレッジ・アート(かごしまヤングケアラー支援ネットワーク)は21日、奄美群島では初開催となる「ヤングケアラー支援フォーラムⅰn奄美」を奄美市名瀬のAⅰAⅰひろばで開催する。子どもが家族の介護や世話を日常的に担うのがヤングケアラー。県全体の状況だけでなく奄美の実態についても報告があり、問題点や支援の在り方などを探る。

 同NPOは公益財団法人キリン福祉財団の支援を受けて奄美群島を含む県全体の実態調査を昨年度実施、今年度取りまとめる。奄美での調査に協力したのがNPO法人うなりネット(倉井則裕理事長)。一人親世帯など群島内の母子・寡婦福祉会支援を目的に2013年発足。現在登録ボランティアが約190人おり、約1100人が利用。奄美市ファミリー・サポート・センターの運営を委託され、子どもたちの学習支援も行っている。

 「負担を抱える 子どもたちのいない 社会の実現のために」を掲げたフォーラムは23年度「キリン・地域のちから応援事業」として開催。午後1時から同3時までで、参加費無料、定員50人(先着順)。2部構成で、第1部が「ヤングケアラーとは…その実態」と題し倉井理事長が奄美の状況を発表。第2部は「ヤングケアラーの現状と課題」と題し鹿児島きょうだいの会代表の西野将太氏が国の施策や県全体の状況など発表する。

 倉井理事長は「奄美の状況について概略的に説明し、どこに問題があり、どうやって支援していくか、何があればいいのか現場の声に基づいて報告したい。不登校にもつながっており、スクールカウンセラーやスクールワーカーの声を届けることができたら」と語り、奄美での関心を高めていくためにも多くの来場を呼び掛けている。フォーラム参加に関する問い合わせ先はNPO法人うなりネット電話0997・69・3710。

 なお、県は昨年度、ヤングケアラーに関する初の実態調査を行っている。それにより家族の介護や世話の悩みなどを誰にも相談したことがない児童生徒の割合が約7割に上り、早期発見・適切な支援へ「つなぎ役」となるコーディネーターの配置の必要性が明らかになった。