へき地教育の現状体感

3年生国語の授業を行う、大学院1年の野元滉介さん

鹿大の教職大学院生らが実習
龍郷町の3小中学校で

 2023年度鹿児島大学教職大学院実習が17~20日、龍郷町の小・中学校で行われている。現職教員や学部卒院生9人と引率の教授ら3人が来島。戸口小、秋名小、龍北中の3グループに分かれ授業実践を通し、へき地教育の良さや課題を体感し学んでいる。   

 同実習は22年度から龍郷町と同大学が連携して実施。離島・へき地の学校における複式指導や少人数指導を学び、小規模校が抱える問題や課題を捉え、改善策を検討することなどを目的に行っている。

 19日は各学校での授業実践があり、龍北中(志風寛校長、生徒9人)では授業参観と授業実践を行った。3年生の国語の授業では、互いの意見を出し合い、話し合うことによって個々の考えを深めることを目的に、三角ロジックを活用した授業を実践。中学の国語教諭を目指す、大学院1年、野元滉介さん(23)は「少人数だから一人一人と向き合い、内容の濃い授業ができるが、多くの意見や情報を聞くことが難しいといった課題がある」と話し、「何よりも子どもが素直なので吸収も早い」と話した。

 引率した小林俊一郎特任教授は「実習3日目になるが、学生たちの授業もかなり成長している」と述べた。

 志風校長は「生徒と年齢の近い学生の授業はいつもと雰囲気が違う。在職教諭にも良い刺激になる」と語った。

 野元さんの授業を受けた、島田宇海(うみ)さんは「若い先生で親しみやすく楽しかった。三角ロジックも良く分かった」と笑顔を見せた。