ペット同室避難所早期設置を訴え

安田壮平市長に同室避難の早期実施を訴える伍代夏子さん(右)とうささん(19日、奄美市長室)

伍代夏子さん、うささん安田市長を表敬
「奄美市が先進例作って」

「災害時のペット同室避難を日本の常識に」と訴える演歌歌手の伍代夏子さん(61)と、〝ペット専用避難所〟の設置を申し入れてきた創作家・うささん(55)が19日、奄美市の安田壮平市長を表敬訪問し、避難所の早期設置を訴えた。18日に同室避難訓練を実施したばかりの安田市長は「環境づくりを進めていく」と前向きな姿勢を示した。

訪れたのは、災害時に行方不明となったペットの捜索や救助活動を行う「チームうーにゃん」代表・うささん。全国の地方自治体の首長に、同室避難所の設置を呼び掛ける活動も行っている。奄美大島もたびたび訪れており、5月にも安田市長を訪ねて同室避難の重要性を訴えた。

この際、「前に進める」とした安田市長の意向を受け、今月6日に奄美市の獣医師らでつくる「ペットの安全を守る会」(青砥真知子代表)、奄美猫部・久野優子さんらとともに同市総務課防災危機管理室、世界遺産課を交え協議し、同室避難の方向性を決定した。

18日には、同市笠利町の太陽が丘武道館を会場に約30人で避難を想定した訓練も行われた。うささんによると「実際に犬を連れてくる人もおり、スムーズに進んだ」という。

7月にエンターテインメント会社エイベックスが立ち上げた「りく・なつ同室避難プロジェクト」のアンバサダーに就任した伍代さんも同席。同プロジェクトへの参加を前にうささんの活動を知り、今回の訪問となった。

伍代さんは「同室避難は世界では常識であり、ペットを連れて避難するのは当然。奄美市が先進例を作ってほしい。奄美の取り組みを全国に広めたい」と訴えた。

安田市長は「台風で毎年のように避難者が出る。同室避難は、マニフェストにも掲げ取り組んできた。訓練で表面化した課題を解決し環境づくりを進める」と答えた。