地方創生映画「クジラの島とくのしま」

地方創生映画特別上映会(左から大久保伊仙町長、池田さん、重田局長、藤園さん、大橋監督)=21日、伊仙町

3町で特別上映会
第2作「闘牛の島」着手報告も

 【徳之島】徳之島を舞台にした地方創生短編映画『クジラの島とくのしま』の特別上映会が21日、徳之島3町会場であった。徳之島観光大使の重田光康氏(ロサンゼルス新選組レストラングループ局長)がふるさとへの熱い思いを込めて製作総指揮、大橋孝史監督(49)のもと島の人々や大自然の魅力満載で発信。舞台あいさつでは、撮影開始した第2作目『闘牛の島』(監督同)の紹介もあった。

 重田氏が自主制作した同第1作目「クジラの島とくのしま」(41分間)は、クジラに憧れて東京から徳之島に短期移住した島ガール・前田海役に鹿児島県出身の藤園麗さん(元AKB48)、生まれ育った島の魅力を紹介する川畑守役に徳之島町出身の芸人・キンボシ西田淳裕さんを起用。多くの島ん人(ちゅ)たちも出演。厚い人情、世界自然遺産の島が育んだ自慢の特産品の魅力もふんだんに盛り込んだ地域創生映画だ。

 完成初披露〝封切り〟の地元上映会(無料)は、▽午前10時からの伊仙町ほーらい館を皮切りに▽午後2時・徳之島町文化会館▽午後6時・天城町防災センターでそれぞれあった。3町会場ともにほぼ満席状態で約1200人が観賞した。

 舞台あいさつ(伊仙町会場)で重田氏は、昨年9月ロサンゼルスで主催した8千人規模の新撰組グループ30周年日本祭りに、コロナ禍に苦しんだ地方を応援する地方創生映画を20本以上手掛けている大橋監督を招待して〝ファミリーの絆〟をつなぎ「徳之島行き」に誘導した逸話も紹介。提案を通じ「クジラには神秘的なパワーがあり、パワーのある徳之島の近辺に引き寄せられると気づいた」とも。

 主演の藤園さんは「次ぐ『闘牛の島』も撮影中だが、徳之島に初めて来て一番感じたのは、人々がすごく温かいこと。どこに行っても家族のように接してくれるのがうれしかった」と、第2作目にも意欲を示した。

 大橋監督は同2作目について「(前回の来島で)子どもたちが闘牛を散歩させている姿、家族同様に扱っている光景を目の当たりした。もちろん闘うシーンもあるが、家族愛をフィーチャー(強調)した作品にしたい」とも述べた。

 「クジラの島とくのしま」の上映に先立ち、重田氏自らが歌った挿入歌『島の人よ』のシンガーソングライター池田卓さん(沖縄県西表島)によるミニライブもあった。

 「闘牛の島」については徳之島3町が製作費計600万円を支援。12月に東京である映画祭で公開予定。「クジラの島とくのしま」ともにロサンゼルスなど国内外で上映、徳之島をPRしていくという。