世界自然遺産の3島高校生 奄美大島で交流

奄美野生生物保護センターで奄美大島の生きものなどについて学んだ

自然体験通し生物多様性学ぶ
野生生物保護センターなど訪問

 世界自然遺産に登録された屋久島、奄美大島、徳之島の高校生が3島の自然環境などについて体験学習する県の交流事業が20日から22日の日程で行われている。21日は、交流に参加している6校の高校生11人が奄美市名瀬の金作原国有林の散策や大和村にある環境省奄美野生生物保護センターを訪問。夜には奄美市内で野生生物探検ナイトツアーに参加し、奄美大島の自然環境などについて学んだ。

 交流事業は世界自然遺産となった3島の高校生が互いの島の自然などについて学び、将来の保護や活用などについて考える機会を持ってもらおうと県自然保護課が今年度の新規事業として企画、実施。 当初、夏休み期間中に約1週間の行程で3島を巡る予定だったが、台風の影響で延期。今回、日程の都合などから奄美大島のみでの実施となった。

 交流したのは屋久島、大島、大島北、古仁屋、徳之島、樟南第二(徳之島)の6校の生徒11人。20日は、奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターとマングローブを訪れ、カヌー体験などをした。

 21日は金作原国有林を散策後、奄美野生生物保護センターを訪問。同センターでは、環境省奄美群島国立公園管理事務所所長・阿部愼太郎さんが、同島の多様な生態系やマングースなどの外来種問題などについて説明。「マングースの数が増え、分布が広がるにつれ、奄美固有の生き物が姿を消していった。あと少し対策が遅かったら絶滅した固有種がいたかもしれない」などと話し、「多様な奄美の自然を将来に残していくためにできることを考え行動することが大切」などと話した。

 屋久島高校2年の日髙煌陽さん(16)は「屋久島に比べいろんな動物がいることに驚いた。外来種の取り組みなども知ることができて良かった。同じ世界自然遺産の島として今後はもっと交流を深め、連携した情報発信ができたらいいと思った」などと話した。

 徳之島高校1年の明和愛音(あのん)さん(15)は、同じ奄美群島の島で生き物の特徴や環境なども違うことを知ることができて良かった。島ごとの違った魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと思った」などと話した。

 生徒らは22日まで滞在し、ワークショップなどを行い交流する。