「ハージン(スジハタ)」群島記録更新

伊仙崎で全長107㌢、重量15・3㌔の「スジハタ(ハージン)」を釣り上げ、奄美群島の記録を更新した清原啓太さん(伊仙町)=23日、徳之島町で

伊仙崎で107㌢、15・3㌔
清原さん(伊仙町)「怪物かと思った」

 【徳之島】「怪物かと思った。高級魚ハージンと分かって感動がこみ上げた」――。徳之島を代表する磯釣りマニアの1人で、伊仙町目手久の自営業、清原啓太さん(62)=徳之島荒磯会=が23日、同町伊仙の伊仙崎海岸で全長107㌢、重量15・3㌔のスジハタ(地方名ハージン)を釣り上げた。奄美群島磯釣連盟公認の同魚種の記録(全長)を塗り替えた。

 清原さんは磯釣り歴40年以上、自己最高釣果はGT(ロウニンアジ)の36㌔。暇さえあれば身近な地磯や亀徳・沖防波堤を中心に、荒磯ポイントに年中釣行。大型回遊魚のGTは今年6月にも30㌔級を仕留めているが、特段魚拓にも残さず、数は覚えていないほどの名うての釣り師の1人。

 徳之島南端に突き出たホームグラウンドの伊仙崎海岸。この日は午前11時半頃から単独で釣行した。上物狙いとムロアジ一匹掛けによるぶっ込み・底狙いのいつもの〝二刀流〟でアタックした。

 そして「イスズミを釣って遊んでいた約1時間後、ウキ下に何やら大きな魚影が」。すかさず底狙い仕掛けを回収し、釣りたてのイスズミ(手のひら大)を背掛けに泳がせ釣りに変更。するとこの判断が見事に的中して、会心の魚信が愛竿を襲いしならせた。

 意外にも格闘は約5分間。「(海底の)根に潜られたらオワリ。突進を1回で抑えて耐えた後は強引に巻き上げた。獲物は波に乗せて瀬に引き揚げた」。「怪物が(高級魚の)ハージンと分かると、一気にうれしさがこみ上げた」。伊仙崎については「車を降りでわずか2、3分。足場も良く最高のポイントです」とも強調した。

 徳之島町亀津の「西山釣具店」で、奄美磯釣連盟の原田眞治前会長らの現認で検量。同連盟顧問の大保光年氏(奄美市・フィッシング奄美代表)によると、スジハタは昨年11月の「105㌢、16㌔」(瀬戸内町与路島ハブナシ)を全長で1・5㌢上回る新記録に。「おめでとうと祝福したい。他魚種の記録に比べて、不思議なことにスジハタだけがここ数年大型化、喜ばしくも更新が続いている」という。