「問い」の書かれたSOUNDカードを選ぶ参加者ら=知名町=
【沖永良部】知名町議会による「まちづくりワークショップ研修会」が19日、同町商工会会議室であった。議会議員や役場職員、町民など23人が参加。対話の活性化を促すためのツール「SOUNDカード」を使い、町の10年後について積極的に意見を交わした。
同町議会が進めている議会改革の一環。議会では、町の課題を抽出し、町執行部へ政策提言を行うため町民との意見交換を行っている。今回、「SOUNDカード」を使ったワークショップの方法を学ぼうと研修会を開いた。
SOUNDカードには、それぞれ異なる「問い」が書かれているのが特徴。設定したテーマについて話したいと思うカードを選び、「問い」に対する答えを述べていく。
研修会の講師を務めた青森大学社会学部教授で早稲田大学マニフェスト研究員の佐藤淳さんは、「SOUNDカード」の効果について「全員が発表できるし、じっくりと話を聞くことができる。そして、カードに書かれた『問い』をきっかけに参加者同士で深い対話が始まっていく」と述べた。
参加者は、机に並べたカードの中から、「町の10年後の未来」をテーマに、町の現状とありたい姿について、話したいと思うカードを選び発表した。
現状について「悲しく感じている事」のカードを選んだ人は「交流する場が減っているし、行事に参加する人も減っている」。「もやもやを感じていること」を選んだ人は「ごみのポイ捨てがなくならない。町のイメージが悪くなる」と発表。
続いて10年後のありたい姿として「何が可能か?」に対して「両町で話し合って合宿施設を作り、スポーツ選手に来てもらう」。「町民にとって必要な視点は?」では「当事者意識を持つこと。町のことをみんなで考えられる町民であふれてほしい」と答えた。
参加した濱本圭子さん(54)は「8年前に東京から移住してきたが、空き家が増えていることに不安を感じている。カードを使うと自分の意見がまとまるし、楽しかった」と話した。
福井源乃介議長は「明るく楽しく自由かっ達な意見交換ができた。これまでにも町民または町内の各種団体と意見を交わしてきたが、今後はそれらの意見をまとめ、町へ政策提言していきたい」と語った。