読み聞かせ・朗読劇の実演や、絵本テキストグランプリ作家・立川治樹さん(円内)の講演で読書普及を考えたフェスタ=27日、徳之島町で
立川治樹さんの最新作『ハブハブブハー』
【徳之島】第22回大島地区ふれあい読書フェスタ(県図書館協会奄美支部主催)が28日、「読書でつなごう 心豊かな未来へ」をテーマに徳之島町生涯学習センターであった。表彰や3団体の活動実演、2020年第1回絵本テキストグランプリ作家・立川治樹さん(48)=伊仙町在住=の講演を交えて交流。家庭・学校・地域ぐるみの読書活動を通じた発展を考えた。
地区の図書館(室)や幼・保・こども園、子ども育成会、親子読書会などの関係者ら約80人が出席。県図書館協会支部の加峯美由紀事務局長は、児童生徒対象の今年度ネリヤカナヤ創作童話コンクール・学校賞に同町の亀徳小も選ばれたことを称賛。大島地区の図書館・読書活動の振興、文化の向上に一層の協力を求めた。
福宏人徳之島町教育長の歓迎あいさつに続き、優良読書会や図書館功労者などを表彰。活動実演には同町内の読み聞かせボランティア・永濱睦子さん、朗読サークル「いきゅんDo」、神之嶺小学校親子読書グループ「がらがらどん」の個人・団体の3組が実演。本の世界の素晴らしさや戦争のむなしさを訴える朗読劇、クロウサギの子育てを通した大自然への慈しみ・情操を育むペープサート劇などを紹介した。
絵本テキスト作家の立川さんは大阪出身だが、母親が伊仙町阿三の出身。30代の時の読み聞かせボランティア体験がきっかけで絵本テキストを書き始める。16年からは母の実家(阿三)に単身移住して創作活動。20年の「第1回絵本テキストグランプリ」(日本児童文芸協会・絵本塾カレッジ共催)で応募作『ちょとつ』が見事グランプリに選ばれ、21年に作家デビューした。
今月25日には嫌われ者のはずの毒蛇ハブを主人公に「みんなちがって、みんないい。奄美の生き物たちのゆかいで心温まるお話」をつづった第3作『ハブハブブハー』(文研出版)を出版したばかり。
演題は「生まれて 気がつけば 絵本がそばにありました」。お笑いトークショー的な語り口で会場を和ませながら、母親が絵本をたくさん買って、気が付けば絵本に囲まれていたこと、自然と絵本が好きになり、自分の人生に影響を与えたことなど逸話も交えて紹介し、「一番伝えたいことは、絵本や童話は読む人の心を豊かにしてくれることです」と結んだ。
【表彰】▽優良読書会スイミーとゆかいな仲間たち(奄美市)、ひかり幼稚園自主サークル「お話の森」(瀬戸内町)▽図書館・公民館図書室職員功労者 重村一人(瀬戸内町)、大庭勝利(奄美市)、永井徹(和泊町)=敬称略