島口で「阿権ちゅうぬ宝」を紹介し、泉芳朗の詩「旗を振る」を朗読した小学5・6年生=10月29日、伊仙町阿権小
【徳之島】伊仙町立阿権(あごん)小学校(曽田巌校長、児童数16人)と同校区住民(142世帯・約250人)の第12回合同文化祭が10月29日、同校体育館であった。住民が指導した島口劇「阿権ちゅう(人)ぬ宝」や奄美群島日本復帰70周年にちなんだ復帰の父・泉芳朗氏の詩の朗読も披露されるなど、住民たちの生涯学習成果も交えた舞台発表と作品展で交流した。
少子高齢化・人口減少が進む中、ミニ校の児童らの学習と地域住民の生涯学習成果などを発表する「合同文化祭」は珍しい。学校と地域を盛り上げるのが狙いで、地域住民が学校に親しむ場にもなっている。
舞台発表は、住民ら合わせ約90人が見守る中で開演した。島口劇・合奏では1・2年生が「力石たろう」、3・4年生が「平竿(さお)とうげ」、5・6年生が「阿権ちゅうぬ宝―令和5年バージョン」をそれぞれ懸命に発表した。
「阿権ちゅうぬ宝」では、検定クイズ形式で島口で「おばあちゃんが作ったマンゴー」や「じいちゃんが作ったドラゴンフルーツ」、「阿権のガジュマル」、「阿権に住む人々の仲の良さ、絆が好き!」などとアピールした。
そして奄美群島日本復帰70周年にちなみ、「奄美の子らは旗を振る…」で始まる泉芳朗氏の詩『旗を振る』を朗読。日の丸の小旗を掲げながら「この思いを受け継げるよう、これからも夢をもって頑張るよ!」と宣言、拍手を浴びた。
指導を続けた〝島口先生〟の1人・松本潮子さん(73)は「みんなの前で堂々と発表ができてうれしい。詩だけは全員に伝わるよう標準語にした。百点満点中の百点です」と声を弾ませた。
引き続き介護予防「あごんいきいきサロン」の健康体操と歌、「徳之島サクソフォンアンサンブル」の四重奏、「阿権音楽隊」合奏、女性連の踊り、伝統芸能「汗水節」の全員踊りなど計13のプログラムで感動を分かち合った。
会場ではスポーツ少年団の活躍の模様、標語、絵画、手芸、生け花などの合同作品展でも楽しませた。