断食祈願でたかれたかがり火の前で記念撮影した「日本復帰歴史巡りウォーク」
安田壮平奄美市長の号砲で1組3人がスタートした「おがみ山激坂選手権」
奄美群島日本復帰70周年を記念した奄美市メモリアル事業(同実行委員会主催)が4日、奄美市名瀬の市民広場を中心にあった。ゆかりの地などで復帰運動の歴史を感じる三つのイベントを開催。参加した市民らは歴史散策や激坂競争、謎解きラリーなどの多彩な催しを楽しみ、日本復帰を成し遂げた先人の偉業に思いをはせた。
日本復帰70年の節目を祝い、市職員が自ら考案する提案型事業の一環。11日開催の記念式典を中心に、11月末までに八つの関連イベントを計画している。
この日は「日本復帰歴史巡りウォーク」「復帰記念クイズラリー」「おがみ山激坂選手権×ウォーキング」の三つを実施。市民らが思い思いに参加した。
復帰運動の父・泉芳朗の胸像を望むおがみやま公園では、距離約600㍍、高低差約58㍍の坂を走って登る「激坂選手権」があり、健脚自慢の25人が挑んだ。2分39秒60のタイムで優勝した陸上自衛隊奄美駐屯地所属の安達卓之さん(30)は、「先人の思いを感じた。大切な奄美を守りたいと改めて実感した」と笑顔で話した。
決起集会が開かれた名瀬小学校校庭を出発した「歴史巡りウォーク」では、奄美博物館学芸員の喜友名正弥さん(29)を案内役に約80人がゆかりの地を巡った。断食祈願を行った高千穂神社では、当時たかれたというかがり火も再現。家族6人で来たという笠利小4年の橘寿幸(かずゆき)君は「断食は僕には無理。1日で限界。相当な覚悟だと分かった」と運動の過酷さを学んだ。
名瀬中央通りアーケード街では目的地を巡って謎を解く「クイズラリー」、おがみやま公園では「激坂ウォーキング」も開催。子どもから大人までの市民が、先人の思いや復帰運動の歴史に学んだ。