伊仙町文化祭

「奄美復帰の父・泉芳朗先生」特別展コーナーも=5日、伊仙町ほーらい館
幅広い世代の発表で満員の観客たちの目を細めさせた(伊仙町文化祭)

「奄美復帰の父」特別コーナーも
老若男女で成果発表

【徳之島】奄美群島日本復帰70周年記念・第43回伊仙町文化祭(町文化協会主催)は5日、同町ほーらい館であった。保育園児から80歳代までの幅広い世代がこの1年間取り組んだ生涯学習の成果を舞台や展示で発表。復帰70周年にちなみ同町出身の「奄美復帰の父」泉芳朗氏の写真や詩集など特別展示コーナーも登場した。

老若男女の住民ら観客約350人が来場して開会式。町文化協の堀江淳一会長の「わが町の文化祭には、町民のみなさまの負けず魂の精神が生きている。その素晴らしい成果の発表を楽しもう」とアピール。

大久保明町長は祝辞で、詩人で教育者、奄美大島日本復帰協議会議長を務め復帰運動の先頭に立った泉芳朗氏(同町面縄生まれ)について「無血の革命を成し遂げたインド独立の父・ガンジーにも例えられる方。米国との非常に厳しい交渉の中で、文化・詩人としての力で群島民の心を一つにしたと思う」とも。

当時の気概をしのぶ「日本復帰の歌」の全体合唱に続き、徳之島福祉会・認定こども園児たちのかわいいダンスパフォーマンスで舞台発表が開演。民謡保存会や日舞や琉舞、島唄・三味線、フラダンス、コーラス、大正琴、社交ダンス教室など計15団体が出演。ロビーで並行の展示コーナーには書道や短歌、生け花、フラワーペイントなどの力作約330点を展示して魅了した。

復帰70周年にちなんだ「奄美復帰の父・泉芳朗先生」特別展コーナーには、写真とともに代表詩の一つ「島」の一節を地元書家が力強く行書した大作、詩集や復帰関連を記録した書籍なども展示。世代を超えて関心を集めていた。