奄美・徳之島空港の使用中止を

要請書を読み上げる城村事務局長

 

郡民会議など県に要請 「まるで台湾有事の最前線」

 

 【鹿児島】市民団体の「奄美の自然と平和を守る郡民会議」(奄美市)と「鹿児島に米軍はいらない県民の会」(鹿児島市)のメンバーらが6日、県庁を訪れ、11月10~20日に予定されている自衛隊統合演習で、奄美空港と徳之島空港の使用に対する抗議と中止の要請を県に求めた。

 今回の統合演習では13、15日に徳之島空港、17~20日まで奄美空港を使用し、航空自衛隊のF15戦闘機による着陸してすぐ離陸する「タッチ・アンド・ゴー」と呼ばれる訓練が予定されている。防衛省から訓練に関する事前の詳細な情報もなく、地域住民に危険と不安をもたらし、平和憲法の理念にも反するとして、郡民会議の城村典文事務局長、県民の会の下馬場学副会長が空港を管理する県に対して、それぞれ要請書を手渡した。

 市民団体側は「防衛省から県に訓練の連絡があったのはいつか」「県から地元の奄美市や天城町に連絡したのはいつか」「訓練が行われる空域や海域はどうなっているか」の3点について県側に説明を求めたが、応対した県の危機管理課は「上司と相談して改めて責任ある回答をする」と述べるにとどまった。

 下馬場副会長は「住民の安全に関わる事実確認の情報開示を要求しているだけなのに、すぐに答えられないのはなぜか」と憤った。城村事務局長は、近年、米軍のオスプレイによる騒音被害が頻発している事実や、奄美大島で自衛隊基地の整備が進み軍事要塞化が進んでいることなどへの懸念を示し「まるで台湾有事の最前線に立たされているよう。県はもっと危機感をもって、戦争のための準備、国づくりをしていることを見逃してはならない。世界自然遺産の島を軍事利用していいのか」と訴えた。

 市民団体はこの後、九州防衛局の鹿児島事務所も訪れ、同様の要請を行った。