ミカンコミバエ

果実や果菜類に甚大な被害を与える重要害虫のミカンコミバエ成虫(資料写真)

誘殺なし状況続く 幼虫確認の徳之島町手々
新たに瀬戸内町節子で確認

 徳之島町で、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの幼虫が奄美群島では2020年以来、約3年ぶりに確認された。トラップ(わな)調査や防除、グアバなど寄生する果実の除去が進められており、これまでのところ誘殺なしの状況が続いている。

 県経営技術課の発表によると、9月25日、同町手々に設置した調査用トラップで雄成虫1匹の誘殺を確認。初動対応として10月11日に調査用の寄主果実を採取したところ、同18日にグアバ果実でミカンコミバエ幼虫の寄生を確認したもの。

 今年度、県内において寄主果実で幼虫が確認されたのは初めてで、これを受けて国、県及び町などが連携して国のマニュアルに基づき初動対応を強化。トラップの増設やテックス板(誘殺板)・ベイト剤による防除のほか、地域住民に協力も要請しての寄主果実調査が進められている。

 幼虫確認を受けて誘殺が相次ぐと定着の兆候を示し、影響が懸念されるが、農林水産省門司植物防疫所は「これまでのところ誘殺がない状況が続いている」と説明。引き続き対策を進めていくためにも不要な寄主果実の除去など住民の協力が求められている。

 一方、7日には新たな誘殺確認が発表された。同課によると、6日、瀬戸内町節子に設置した調査用トラップにおいて、雄成虫1匹の誘殺を確認したもの。同町における今年度の誘殺は7月6日に続き5匹目。県内における今年度の誘殺は、7市町(奄美市、瀬戸内町、伊仙町、屋久島町、徳之島町、天城町及び龍郷町)で今回を含め合計18匹。

 誘殺確認を受け初動対応を実施。10基を増設してのトラップ調査、今回確認された誘殺地点から半径2㌔㍍円内の庭木や菜園などの寄主果実(グアバ、カンキツなど)を採取しての調査(5日間以上保管後、幼虫の有無を確認)、テックス板などによる防除が進められている。