楽しむサッカーで「成長を」

練習に取り組むバモスフットボールスクールの生徒たち

指導者で元鹿児島ユナイテッド選手の西原さん

元ユナイテッド西原さん
子ども向けスクール奄美で開校

 サッカーJ3の鹿児島ユナイテッドFCなどに所属した元プロサッカー選手の西原健斗さん(28)が今年7月から、子ども向けのサッカースクール「バモスフットボールスクール」を奄美大島で開校した。現在は幼稚園年中から小学6年生までの58人が所属しており、「笑顔でサッカーを楽しむことがコンセプト。子どもたちと一緒に成長し、島のサッカーを盛り上げていきたい」と話す。

 西原さんは兵庫県尼崎市出身。父の影響で小学5年生からサッカーを始め、中高時代は市内の大会で5年連続の優勝を果たしたほか、県大会にも4度出場。大学卒業後は、大阪の社会人クラブに所属し、20歳で参加した練習会で鹿児島ユナイテッドに声を掛けられ2015年に入団した。

 当初から「2軍のトップになれなければ1年でやめる」と挑んだ西原さん。翌年、次のステップと考えていた育成の道に進んだ。

 引退後は、地元・尼崎市で小中学生を教える傍ら、資格取得やプロ指導者らとのネットワーク構築にも努めてきた。一区切りがついた昨年には、約束だった妻の生まれ故郷の奄美に移住した。

 スクール名は「バモス」。スペイン語で「さあ、行こう!」の意味で「技術の上達やプロを目指すことが目的ではなく、サッカーを楽しんでほしい」と思いを込めた。現在は名瀬運動公園内にあるサンドームを中心にスクールで活動。金融機関に勤めながら毎週日曜日、朝日中卒の中島航平さん(29)のサポートを得て、子どもたちと向き合っている。

 練習は、ルーティン的メニューではなく月ごとに課題を決めて取り組む。11月のテーマは「オフザボール」。子どもたちはボールを持つ選手をサポートしたり、パスを予測して空きスペースに走り込むなど動きを反復。「続けて繰り返すことで頭も体も段々と覚えてくる」と指導に当たる。

 当面の目標は「安心して練習できる拠点を整備すること」と西原さん。「子どもたちの可能性は無限。(練習を)やらしている、やらされているでは嫌気も差す。好きで始めたサッカーをやめさせたくはない。サッカーを心から楽しめるように導いてあげたい」と意気込んでいる。

 詳しくは公式LINEなどで発信している。