沖永良部2町で戦没者追悼式

祭壇に献花する参加者ら(和泊町)

追悼式で献花する参列者ら(知名町)

不戦の誓い新たに

 【沖永良部】和泊、知名両町で9日、戦没者追悼式が各会場で営まれた。参列者は祭壇に献花し、不戦の誓いを新たにした。

 和泊町招魂祭・戦没者追悼式は同町防災拠点施設やすらぎ館であった。遺族ら約70人が参列し、戦没者671人を追悼した。前登志朗町長は「町の大いなる可能性と限りない潜在力をいかし前進することが、私たちに課せられた使命だと信じ、全力を尽くすことを誓う」と式辞を述べた。同町遺族会の大脇克子会長は「世界のさまざまな地域で新たな試練に直面している。お互いを尊重し、力を合わせてこの困難を乗り越え、安心した生活が送れることを心から願う」と追悼の言葉を捧げた。

 知名町戦没者追悼式は、例年大山野営場・平和の塔前で行われてきたが、遺族の高齢化に伴い、今回からフローラル館での開催となった。約70人が出席し、犠牲者504人の霊を慰めた。

 参加者全員で黙とう後、今井力夫町長は「世界から戦争がなくならない。改めて戦争の悲惨さと恒久平和について考えなくてはならない」と式辞。同町遺族会の名間武忠会長は「平和な日本に生まれて良かったと心から思う。日本の繁栄と平和は戦没者の尊い犠牲の上にあることを心に刻み、次の世代に伝えていくことが務めだ」と述べた。

 上城小5年の稲江鈴さんが作文を朗読。91歳になる親せきのおばあさんの戦争体験を聞き「戦争は絶対にしてはいけない」と感じたという。そして現在も続くウクライナとロシアの戦争に思いをはせ「戦争のない安心して暮らせる平和な世の中が一番。話し合いで早く戦争が終わってほしい」と発表した。