与論町で群島植樹祭

与論町であった第61界奄美群島地区植樹祭のリュウキュウコクタン記念植樹(提供写真)

リュウキュウコクタン植樹
19年以来式典も開催 森林守り緑化推進

 第61回目となる2023年度奄美群島地区植樹祭が9日、与論町であった。2019年度の徳之島町以来の式典も開催され、各種褒賞授与やスローガン採択などがあり、記念植樹はリュウキュウコクタンなどを約100本植えた。

 森林を守り育てることの大切さや林業の活性化について県民の理解を深めることを目的に開催。主催は奄美大島流域森林・林業活性化センター、与論町、大島支庁で、事務局の同庁林務水産課によると、群島植樹祭は隔年開催しており、2年前は瀬戸内町であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で記念植樹のみ行われた。

 久しぶりに式典も開催され、会場となった砂美地来館(さびちらかん)には県議や市町村長・議会議長、行政を含む林業関係者などが参加。主催者代表(大島支庁長)あいさつに続き、地元(与論町)を代表して田畑克夫町長があいさつ、「本町は島内の大部分が畑地帯であり、毎年のように台風の影響を受けるため、海岸防災林や耕地防風林、家を守る防風林など島民の命と財産を守る対策を講じている。また生活に必要な水源が地下水となっている本町にとっては、森林や樹木は重要な水源涵養としての働きを担っているほか、赤土流出防止の役割を果たし、美しい自然環境を守る大事なもの」と述べ、森林を守り今後とも更なる緑化を推進していくとした。

 式典は、森林・林業功労者表彰など各種褒賞授与、緑のメッセージ(公益財団法人かごしまみどりの基金理事長・塩田康一知事)、スローガン採択などと続いた。スローガンは「木を植え、森を育み、大切な水資源を確保しよう」「奄美産材の安定的な供給体制を構築し、林業・木材産業の活性化を図ろう」など。

 記念植樹(代表・一般)は多目的運動広場ゆいランドで。苗木が植えられた、カキノキ科のリュウキュウコクタンは常緑中高木で、樹皮は黒灰色で平滑、材は堅くて重い特徴がある。与論町では防風林として親しまれている。

 各種褒賞授与者は次の通り。(敬称略)

 【森林・林業功労者】団体育成指導=森山馨(宇検村湯湾)▽種苗=奥山太(与論町古里)
 【林業技術競技会】恵み豊かな森林づくり・優秀賞=天城集落(天城町天城)
 【県環境林務部公共事業優良工事・優秀技術者】優良工事(大島支庁農林水産部長表彰)・治山事業=村上建設㈱、同林道事業=㈱中村建設▽優秀技術者(同)・治山事業=原口俊治(村上建設㈱)