「子ども第三の居場所」和泊町に開所

風船を飛ばして開所を喜ぶ子ども達(和泊町)


開所式に参加した関係者ら(和泊町)

子どもの未来支える施設に
NPO法人「SMAPPY」運営
島内4拠点目

 【沖永良部】家でも学校でもない新しい場所で子どもたちが過ごせる「子ども第三の居場所」として、和泊町のNPO法人「SMAPPY(スマッピー)」は9日、同町手々知名に「SMAPPY KIDS(スマッピーキッズ)」を開所した。地域住民や施設を利用する親子らが集まり、風船を飛ばして開所を喜んだ。

 「子ども第三の居場所」は、すべての子どもたちが将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的に、日本財団が中心となって2016年から全国に開設している。今回、全国で194拠点目、県内9拠点目、島内は4拠点目となる。

 「SMAPPY KIDS」の対象者は、就学前の年長児から高校生まで。スタッフはマネージャーや常勤職員など含め3人。開所に当たって施設をリニューアルし、食事や交流スペース、キッチン、お風呂、遊具広場などを整備した。長期休みや休日には、郷土文化や環境問題、衣食住などをテーマにしたプログラムを提供する。

 開所時間は、月~金曜が午後2~6時(長期休み中は午前9~午後6時)まで。第2土曜は正午~午後6時まで。月1回の土日の日中5時間程度となっている。

 施設内であった開所式には関係者ら約20人が参加。同町の前登志朗町長は「素晴らしい施設が完成した。子ども真ん中社会の確立に向け、また一歩進むことができた。これからも日本財団には伴走をお願いしたい」と述べた。

 日本財団の西川昌樹さんは「『子ども第三の居場所』事業を進めていく中で、事業の必要性が認知されていると感じている。子どもたちが自分の居場所を見つけられるよう支えていきたい」と話した。

 2年前から子育て支援を目的に活動を始め、託児所や子ども食堂、カフェなどを運営してきたSMAPPY代表理事のの新納佳恵さんは「島に来て13年目になるが、地域の思いやりや人々の支えを強く感じている。地域住民の協力が今後も不可欠であり、子どもを育てるチームとして一緒に力を合わせて子どもの未来を支えていきたい」と語った。

 開所式後はアフターパーティーを開催。海ごみアートワークショップや子ども食堂による軽食の提供のほか、ステージ発表で楽しんだ。