朝日環境大臣政務官が視察

朝日健太郎・環境大臣政務官(右から2人目)と談笑する小池弘章さん(右)(11日、龍郷町秋名)

自然共生サイト認定 龍郷町「真米の里」など

11日午後開催された奄美群島日本復帰70周年記念式典出席を前に、朝日健太郎・環境大臣政務官が、龍郷町の「奄美大島真米(まぐむ)の里 秋名・幾里・大勝」と、奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターを視察した。真米の里では、旬のマコモ収穫に追われる農家をねぎらいながら、自然栽培で耕作放棄地の水田をよみがえらせた「奄美稲作保存会」の小池弘章代表理事(41)の話に耳を傾けた。

真米の里は、高齢化などで耕作放棄地となっていた水田や畑を2016年から同会が復活。奄美群島で栽培されていた古代米(黒米)の種を静岡の農家から譲り受け、戦前から作られていたうるち米「農林22号」とともに栽培している。

自然栽培で復活した水田には、多様な水生生物が見られるようになり、渡り鳥が多数生息する環境がよみがえった。

こうした環境保全活動が評価され、10月には、「G7自然協約」(30年までに陸と海の30%以上を自然環境エリアとして保全する)に基づく環境省の自然共生サイト(区域)に1・3㌶が認定された。収穫後の稲わらは、国指定重要無形民俗文化財「ショチョガマ」に提供されており、文化貢献も選定理由の一つとなっている。

朝日大臣政務官は「自然・文化の両面からの評価で理想的。関わった人の努力が感じられた。自然との共生は世界的なテーマ。世界に伝えていくべきモデル」と取り組みを絶賛した。

小池さんは「会員40人を含め、米づくりや里山の環境を残したいという思いが形になった」と感謝を語った。