瀬戸内町でも幼虫確認

今年度2例目、奄美大島7年ぶり
不要果実の除去要請
ミカンコミバエ

 県は14日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの幼虫の寄生が、瀬戸内町で実施した寄主果実調査で確認されたと発表した。今年度、県内での幼虫確認は10月の徳之島町手々に続き2例目。奄美大島において寄生果実で幼虫が確認されたのは、誘殺多数確認でタンカンなど寄主果実の移動が制限された緊急防除(2015年12月~16年7月)期間内の16年3月15日以来7年ぶり。

 経営技術課によると、今月6日に同町節子に設置した調査用トラップ(わな)で、雄成虫1匹の誘殺を確認。初動対応として7日に調査用の寄主果実を採取し、13日にキンカン果実でミカンコミバエ幼虫の寄生を確認したもの。

 幼虫確認を受けて国、県及び町などが連携して、国のマニュアルに基づき初動対応を強化。トラップ調査は、これまでに誘殺地点から半径5㌔㍍円内の既存トラップ11基に加え、10基を増設済み(計21基)。今後2週間は、週2回の調査を行う。誘殺板(テックス板)による防除は、今回、幼虫が確認された地点から半径5㌔㍍円内(通常は2㌔㍍)に設置(枚数は1700)。ベイト剤を散布しての防除も行っている。

 寄主果実の除去は、幼虫が確認された地点から半径1㌔㍍円内の不要な寄主果実については関係者(関係行政機関の職員)による除去。半径2㌔㍍円内は、地域住民へ除去を要請している。

 徳之島町手々に続き瀬戸内町節子と2か月連続で幼虫が確認されたことについて、農林水産省門司植物防疫所は「両方とも大規模な寄生果の発見ではない。特に手々については少数の卵を産む能力を持った雌が侵入し寄生したもの」と説明。調査や防除の強化とともに、予防につながる不要な寄主果実除去への住民協力を呼び掛けている。

 ミカンコミバエは体長7㍉程度の小型のハエの一種。雌が果実に産卵し、果実内で幼虫の食害が進行すると、果実が腐敗する。他のミバエに比べて産卵数が多く、繁殖力が高いため、定着すると急速に被害が拡大し、収穫皆無となる場合もある。