学校周辺の「バリアマップ」作成

バリアマップを作成し、安田市長に「バリアフリー」のまちづくりを提案した大島高校3年の有田さん(右)と昇さん

大島高3年の有田さんと昇さん 奄美市に改善策提案
「すべての人にやさしいまちに」

 県立大島高校(奄美市)の生徒2人が14日、奄美市役所を訪れ、「総合的な研究の時間(ST)」の授業で作成した「バリアマップ」を安田壮平市長に手渡した。マップは学校周辺で不便に感じたり、生活の妨げになる障がい(バリア)を地図上にまとめたもの。屋根のないバス停や道幅が狭く段差があり車いすなどでの歩行が難しい歩道、古くて狭い公園のトイレなど計7か所を取り上げ、改善策などを提案している。地図を受け取った安田市長は「利用者の視点に立った指摘は大変ありがたい。できることから一つずつ改善していきたい」と感謝した。

 地図を作ったのは同校3年生の有田結愛(ゆめ)さん(17)と、昇優羽(ゆう)(18)さん。STの授業で、1年生から課題などについて話し合いを進め、2年生で「すべての人にやさしい、『バリアフリー』のまち」をテーマに決め、バリアマップの作成を始めた。

 昨年6月には福祉施設などへのアンケート調査を行い、バリアフリーについて学んだほか、実際に学校の半径200㍍の範囲の道路や公園などを徒歩や自転車で巡り、障がい者や高齢者のバリアになりそうな場所などを探した。

 地図は今年5月に完成。活動の締めくくりとして今回、安田市長に直接地図を手渡すことにした。

 完成した地図は、バリアのある場所を撮影した写真を掲載。段差や陥没などの現状を説明した上で、改善策などを提案している。同市名瀬久里町の市道上の横断歩道については、白線が消えかかっていることや、道路の陥没と排水溝のガタガタなどを指摘。舗装などの改善を求めた。

 高校生が作成した地図に、安田市長は「市としても障がい者や高齢者などすべての人が楽しめる観光地づくりを推進している。予算などもあり、全部すぐに取り掛かるのは難しいが、一つずつ改善していきたい」などと応じた。同席した道路整備や福祉政策などの担当者も、地図を見ながら改善策などについて生徒らと意見交換した。

 安田市長から直接、改善に向け取り組む約束をもらった有田さんは「市役所に提出できる地図を作ることができて良かった。バリアフリーのまちづくりに一歩でも近づける手伝いができてうれしい」と話し、昇さんも「歩道などが整備され、障がい者や高齢者が外出したいと思えるまちになったらうれしい」と話した。