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奄美群島市町村長会では、奄美群島成長戦略ビジョン2033の基本計画・実施計画案などを協議した

「港湾機能は必ず維持」 北ふ頭整備 奄美・喜界航路影響で下鶴鹿児島市長
成長戦略ビジョン、達成指標導入へ

 奄美群島12市町村の首長らで構成する各種協議会が21日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。市町村長会では、奄美群島成長戦略ビジョン2033の基本計画・実施計画案について事務局から説明があり承認。鹿児島市が鹿児島港本港区北ふ頭で構想する多機能複合型サッカースタジアムの整備などで懸念されている奄美・喜界航路の港湾機能への影響については、下鶴隆央鹿児島市長が「港湾機能は必ず維持する」と明言した。

 【奄美群島市町村長会】(会長=高岡秀規徳之島町長)12市町村の首長が出席した。奄美群島成長戦略ビジョン2033の基本計画・実施計画案では、事務局の奄美群島広域事務組合から概要の説明があり、案ではより実現性を高めるため達成度評価のための「指標」を盛り込む案などが提示。これに紐づく観光マスタープラン「奄美群島観光しまづくりプラン」の基本的な考え方と合わせて承認した。具体的な目標数値の設定などについては、同懇話会で意見を加味しながら実施する。

 奄美会館の老朽化などに伴う同組合の事務所移転先については、同市名瀬港町の大島紬会館7階を予定。業務開始は来年1月上旬の見込みで、各市町村の議会で承認を得ていく。

 この他、今月11日に開かれた奄美群島日本復帰70周年記念式典・祝賀会の報告もあった。

 【奄美群島地域産業協会理事会】着付け体験教室などの23年度上半期事業報告があり、24年度負担金案を承認した。市町村助成事業については事業予算の分担方法に相違点があるとして市町村長会に委任。特定資産の国債運用については金融機関と相談の上、次回の理事会で諮ることとした。

 【奄美群島観光物産協会理事会】12市町村の24年度負担金、事務所移転(大島紬会館)など議案3件を承認した。

 奄美群島特産品販路拡大事業の2事業については、民間物産事業者などヒアリングを踏まえ、新たに「物産展×商談会」「物産アドバイザー事業」などへの見直しが提案。了承した。

 【多機能複合型スタジアムについて(鹿児島市)】鹿児島港本港区北ふ頭整備にあたって下鶴市長は、▽奄美・喜界航路の港湾機能の維持▽人口減少対策を見据えた若者向けのイベント醸成(稼働率の向上)▽奄美群島への窓口となる観光拠点の設置―などを約束。「港湾機能の維持、これは肝。しっかりと情報提供し、港湾関係者と議論を重ねていきたい」と述べた。

 鹿児島市事務局からは、上屋の移設や人流と物流の分離、航路利用者の駐車場設置などの検討を進めていることが報告。奄美群島首長らからは港湾機能の維持に加え、「農産物関係者との対話を」「費用対効果の検証を」「アクセスなど利便性確保も重要だ」などと求める声も上がった。

【奄美群島広域事務組合議会定例会】議長の選挙があり、指名推薦により高岡秀規徳之島町長を選任、同組合監査委員には鎌田愛人瀬戸内町長を再任した。一般会計、TIDAネシア基金特別会計、奄美パーク特別会計の2023年度決算と、奄美パーク事業特別会計の23年度補正予算(第1号)の計4議案を原案可決した。

 県奄美パークについては、22年度の来園者数が前年度比4万6518人増の11万5694人となり、観覧料収入が同688万7133円増となるなど、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく減少する以前の水準まで回復していることが報告された。

 また、同パークの23年度補正予算では、観覧料収入を当初予算額1700万円から220万円増額し1920万円に、繰越金も当初の700万円から601万円増額し1301万円とした。