三太郎線夜間利用適正化連絡会議

奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議(21日、アマホームPLAZA)

修正案やビジョン提案
利用ルール周知と未予約率低下を

 2023年度第1回奄美大島三太郎線周辺における夜間利用適正化連絡会議は21日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA3階大多目的室であった。実証実験の結果とルール修正案や夜間利用適正化ビジョン案、今後のスケージュールについて会議が行われた。住用町の町内会区長や各団体、事務局などオンラインを含め40人以上が出席。事務局は、利用者の多かったゴールデンウィーク、夏休み、年末年始に地元枠(住民優先枠)を1日1枠、1枠2台利用実施のルール修正案を提案した。

 同線の試行ルールは、夜間に野生生物を観察するナイトツアーの増加に伴い、車両規制や独自の観察ルールを設定し、21年10月29日から開始。ロードキル(交通事故死)など野生生物保護や、利用者間のトラブル防止に努めている。

 地元枠と1枠2台利用の実証実験は、22年のシルバーウィーク(9日間)、年末年始(14日間)、23年のゴールデンウィーク(10日間)、夏休み(11日間)、シルバーウィーク(8日間)の52日間で実施。

 ゴールデンウィークと年末年始の利用は多く、シルバーウィークの利用は少なかった。23年5月6日に最大となる4件のロードキルが確認されたが、1枠2台利用の件数がロードキルの発生に大きく影響はしていないとした。

 その他、「三太郎線の目指す姿」を共通認識として共有することなどを目的とした、「奄美市道三太郎線周辺における夜間利用適正化ビジョン(骨子案)」が提示された。

 21年10月の運用開始から23年9月まで2年間の総利用台数は7298台で、そのうち予約利用は6432台(88・1%)。 未予約利用は22年4月の70台(同月全体の335台の20・9%)が最大。利用台数は運用開始以降3月が特に多く、6月にかけて減少するが、7、8月に再び増加する傾向にあるとした。

 三太郎線周辺におけるアマミノクロウサギの交通事故発生状況は、奄美大島全体に比べ低く推移している。ルール開始後1年間は1件だったが、2年目は4件と増加。引き続き利用ルールの周知と未予約率の低下のための対策が必要とした。

 また利用期間の多い年末年始、12月26日~24年1月7日(13日間)の地元枠と1枠2台利用の実証実験実施を決めた。