大島海峡でサンゴ礁調査

瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖で行われたリーフチェック(11月15日、興克樹さん撮影)

瀬戸内町海を守る会
部分白化あるも「おおむね良好」

「瀬戸内町海を守る会」はこのほど、今月15日に同町加計呂麻島安脚場沖の大島海峡で実施した、サンゴ礁の健康度を測定する「リーフチェック」の調査結果を公表した。大型のサンゴ群体では、大雨の影響とみられる白化が発生、部分死滅したサンゴもあったが、海底に占めるサンゴの被覆割合を示す「サンゴ被度」は54・5~58・8%で、「おおむね良好な状態」を保っていた。また、サンゴの天敵とされるオニヒトデも確認されなかったという。

同会は地元ダイビング事業者らで組織。同島と奄美大島を挟む大島海峡を中心に同島南部海域でリーフチェックを行っており、安脚場沖での調査は23年連続23回目。

今回の調査は、同会の会員のほか、同町職員や奄美海洋生物研究会の会員ら計9人で実施。同沖約200㍍に広がる礁斜面で、水深5㍍と同10㍍の地点に100㍍の測線を設定。サンゴの被度や魚類、無脊椎生物の数などを潜水調査した。

サンゴ被度は水深5㍍地点で54・5%と前年(60・6%)から減少。一方、水深10㍍地点では、58・8%と前年(51・9%)より増加していた。水深5㍍地点では、白化後に群体下部が部分死滅したドーンミドリイシが確認された。

大島海峡では今夏、高海水温による白化の発生がなかったことなどから、大雨時の泥水の影響で死滅した可能性が高いという。また、調査時には白化の進行は見られず、その他のサンゴ群体では死滅は確認されなかったことなどから「おおむね良好な状態が保たれている」と結論付けた。

同会などによると、奄美大島南部海域では01年から05年にかけてオニヒトデが大量発生し、サンゴが壊滅的な影響を受けた。調査海域では、02年にサンゴ保全海域に設定。継続して駆除を行うなど保全活動が行われている。

同海域では、大型ミドリイシ属群体が生存しており、同会は「幼生の供給源、観光資源としても重要」と指摘。会員など同海域を利用する事業者などに適正利用の推進を呼び掛けている。