和泊町農業祭

野菜の苗を買い求める来場者たち(和泊町)

奄美群島の病害虫について講演した德永太藏院長

植物病院活用で病害虫対策
JA県経済連植物病院 德永院長が講演

 【沖永良部】奄美群島日本復帰70周年記念第61回和泊町農業祭(同町、JAあまみ和泊事業本部主催)が23日、同町役場庁庭であった。式典では、今年4月に県内で初めて開設された「JA鹿児島県経済連植物病院」の德永大藏院長が奄美群島の病害虫について講演し、早期の対策に向けて病害虫の診断などを行う植物病院の活用を呼び掛けた。

 開会式典では、体験発表した和泊小6年の東未徠さんが、亡くなった祖父からマンゴー園を受け継いだ母親への思いをつづり、「いつもは母から『手伝って』と言われるが、今年は自分から手伝いたい。祖父が大切に育ててきたマンゴーの木を私も受け継いでいきたい」と述べた。

 続いて、德永院長が奄美群島の病害虫について講演。県内で被害が出ているミカンコミバエに関しては「以前は梅雨の時期に風に乗って来るぐらいの傾向だったが、ここ数年は夏や秋にも飛んでくるようになった」と述べ、気候変動で分布域が北上している可能性を示唆した。病害虫対策として「早期に発見し、早めに対策を打つことが重要だ」とし、全国に5か所ある植物病院の役割や業務内容を紹介した。

 式典後、ステージアトラクションや芸能大会が行われ、来場者は、会場に並んだ販売ブースで買い物をしたり、ステージ発表を見たりして楽しんでいた。