「飼い犬のしつけ教室」初開催

リードを使ったしつけ法を指導する上原聖良さん(左から2人目)(23日、名瀬小学校校庭)

インストラクター講師、マナー向上も
市世界自然遺産課

 奄美市世界自然遺産課は23日、同市名瀬永田町の名瀬小学校校庭で、家庭犬しつけインストラクターによる「飼い犬のしつけ教室」を開いた。5家族7匹が参加。「元気がありすぎて散歩が大変」「ほえ癖がある」といった悩みに、リードを使った対処法などが指導された。飼い主を引っ張り、ほかの犬を威嚇するような行動をしていた犬も、約1時間のしつけで、歩調を合わせて歩くまでに成長した。

 講師は、奄美市出身で、東京都や同市内の動物病院で、認定動物看護師として15年以上の勤務経験のある上原聖良(せいら)さん(40)。お座り、待てなどの基本動作を確認し、飼い主に従って散歩をするしつけ法や、受診時や災害発生時に役立つというクレート(移動用のキャリー)トレーニングを指導した。

 上原さんは、「待て!よし!」を覚えさせることがしつけの基本で、引っ張り癖や拾い食いをする犬をコントロールすることにつながると説明。奄美群島でも例がある人獣共通のレプトスピラ感染症を防ぐためにも必要だと強調した。

 毎日のコミュニケーションでは、アイコンタクトがとれた際や、指示通りにできたら、「3秒以内に大げさに褒める」ことを推奨した。

 2匹の甲斐犬(中型の日本犬)を連れて参加した川畑美代子さん(48)は、やんちゃな性格だという殿君(オス2歳)の成長に目を細め、「リードの使い方など勉強になる点が多かった。夕方の散歩で早速試してみたい」と話した。

 坂井洋平さん(31)は、多頭飼育崩壊の家庭から生後2か月で保護したマロン君(雑種・オス3歳)と参加。「こうしたイベントを通じ、犬が家族の一員だという意識が高まれば」と話した。

 同課の担当者は「予防接種の場で、基本的なしつけが行われていない犬が見受けられる。ふん尿などの苦情も後を絶たない。こうした教室を通じ、マナー向上につなげたい」と、同教室を継続して開催する意向を示した。