6匹確保、5匹いぜん不明

休日返上で「脱走ハブ」の捜索。捕殺されたハブを回収する職員ら=25日、同町役場

「ハブ脱走」の天城町
職員ら休日返上で捜索

【徳之島】町役場敷地内で直接管理する毒蛇ハブの保管・展示施設「ハブの館」から計11匹の〝脱走事件〟に揺れる天城町。衝撃の失態から一夜明けた25日も、職員ら延べ約50人が休日返上で捜索。前日の2匹含め計6匹は敷地内外で確保できたが、残る5匹は見つかっていない。26日も捜索を継続する。

命にも関わるハブ咬傷(こうしょう)被害防止、生息数抑制などを目的としたハブ捕獲奨励買取事業で、住民が捕獲した生きハブを買い上げて一時保管・展示している「ハブの館」。保健所側の定期回収(20日)後、施設内部を洗浄した際、排水口(直径約5㌢)のバルブを閉め忘れ、新たに収容した計16匹のうち11匹を外部に「脱走」させてしまった失態。

町当局によると、2日目25日も午前と午後合わせ延べ約50人が、ハブ捕獲器や測量棒などを手に、庁舎敷地内の側溝や植え込み、庁舎外の半径約100㍍を捜索した。

結果、この日は「ハブの館」横の空調室外機と、住民の通報で近くの民家付近で1匹ずつ捕獲。役場敷地の西側斜面の除草捜索の際、草刈り機で1匹を捕殺。役場近くの町道では「脱走ハブと断定はできないが」車にひかれた1匹の死がいを発見。だが、同日午後5時頃現在、残る5匹については見つかっていない。

「同町物価高騰生活支援クーポン券」受給で役場を訪れていた住民女性(72)は「役場のすぐ近くに家があり、マイク放送を聞いて驚いた。〝長いもの〟に気をつけている。ハブは夜行性のため、行動する夜間に捜すべきでは」とも。

同日午前に公務出張から帰島、役場に直行していた森田弘光町長は「長年の行政経験上でも初の事態。第一に思ったことは周辺住民の方々の安全の確保。大変な心配・不安を与えていることに深くおわびを申し上げたい」と話した。