メモリアル事業

サガリバナの苗木に土を寄せ合う参加者たち

復帰の歴史つなぐ象徴に
奄美市でサガリバナ植樹

 奄美群島日本復帰70周年を記念した奄美市のメモリアル事業「未来へつなぐ記念植樹」が26日、奄美市名瀬長浜町の奄美川商ホールなどであった。参加者らは、島で親しまれるサガリバナが日本復帰の歴史をつなぐ象徴となることを願い、苗木に土を寄せ合った。

 節目を周知し、日本復帰の歴史を次世代に受け継いでいこうと同事業実行委員会が企画した。サガリバナは、熱帯や亜熱帯地域に生息する常緑高木で、奄美大島が北限。真夜中に咲き明け方には散ることから「幻の花」とも呼ばれ、7~8月頃には甘い香りを漂わせ白い幻想的な花を咲かせる。

 植樹式には、地区を代表し山岡英世(ひでつぐ)長浜町自治会長(71)、大迫勝史長浜中央自治会長(65)らが出席した。セレモニーでは2~3年後の開花を思い描き、市民らがスコップで土をかけ合った。

 大迫会長は「花言葉は〝幸福が訪れる〟。幸せになれるよう長浜町みんなで慈しみ守りっていきたい」。山岡会長は「市民の文化の発信地にある意味は大きい。若い人にも継承しながら、花が咲けば唄あしびで祝いたい」と話した。

 施設の植樹は同ホールの他、住用町の黒潮の森マングローブパーク、笠利町の太陽が丘総合運動公園でも予定。公募した集落の植樹は、大熊町内会、山間集落、土盛集落が選ばれており、順次実施していく。