天城町の母校などに計1億5千万円

山田長満氏(右から3人目)を迎えてあった計1億5千万円(目録)の贈呈式=23日、天城町役場(提供写真)

「徳之島から羽ばたく国際人・世界人に」
山田長満氏(東京)が寄付

 【徳之島】東京地方税理士会元常務理事、公益財団法人山田長満奨学会理事長などを務める天城町松原出身の事業家、山田長満(おさみつ)氏(76)=東京都世田谷区在住=がこのほど、母校の同町立岡前小と北中の教育振興費を含め総額1億5千万円を寄付した。贈呈式がこのほど町役場であり、町当局や学校側を大いに感動させた。

 山田氏は両小中を経て都立新宿高、日本大学商学部、慶応大学大学院商学研究科修士課程を修了して税理士の道へ。東京地方税理士会常務などの傍ら、起業・事業家として手腕を発揮し川崎商工会議所会頭、日本起業家協会設立者・理事長なども担当。また日本ASEAN産業経済交流協会最高顧問など国際交流にも貢献。34年前には「山田長満奨学会」を設立して人材育成も継続。2018年に外務大臣表彰、19年に旭日中綬章を受章した。

 ふるさとへの今回の寄付金の内訳は、母校の岡前小と北中に英語や簿記教育など振興に期待して各5千万円、ほか公衆用道路・私道整備費として5千万円の計1億5千万円。

 町役場が計画して招いた贈呈式で山田氏は「そっと目録を贈ろうと思っていた。(島を巣立ち)60年が経ったが、東京や川崎では絶えずふるさとに熱い思いを持っていた。世界自然遺産になった自然、助け合いのユイの心も非常に美しい」。使途には「後輩たちには大きな夢・希望・勇気をもって挑戦し、徳之島から世界に羽ばたく国際人・世界人になってほしい」とも期待を込めた。

 森田弘光町長は先輩である山田氏に敬愛の念を込めながら「思いをしっかりと受け止め、町の発展・活性化に活用します」。岡前小、北中の両校長も小中連携を図りながら「ユイの心で未来に羽ばたく子どもたちの育成、キャリア教育の充実に努めます」などと感謝を述べた。

 山田氏はこれまでも両校などに図書計約600冊、松原西区公民館建設費に1千万円、コロナ禍のマスク3万枚なども寄贈。町内では「ふるさと思いの大実業家」としておなじみ。