与論十五夜踊り

「町奉行」を3年ぶりに奉納する1番組の踊り手たち(与論町、地主神社)


十五夜踊りの前に相撲大会が開催され、子ども達の取り組みで盛り上がった(与論町、地主神社)

島の安全と五穀豊穣願う
相撲大会で盛り上がる

 【沖永良部】国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が旧暦10月15日にあたる27日、与論町の地主神社で奉納された。2番組と1番組の踊り手が交互に演目を披露し、島の安寧を願った。

 十五夜踊りは、1561年に創始されたといわれ、年に3回、旧暦の3、8、10月の15日に行われる。踊り手のうち、「二番組」は扇踊りや手踊りを見せ、「一番組」は寸劇仕立ての踊りを披露する。1993(平成5)年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

 この日は、2つの組が合同で行う雨乞いの踊り「雨賜り(あみたぼうり)」を皮切りに、「一度いふて」や「三者囃子(さんばすう)」のほか、配役が揃ったことで3年ぶりに披露した「町奉行」など全9演目を奉納した。

 踊りの奉納を前に神社境内で相撲大会も行われ、町内の児童生徒や一般男子が熱戦を繰り広げた。会場には多くの保護者らが詰めかけ、「押せ」「負けるな」と大きな声援が飛んでいた。

 祭主の田畑克夫町長は「この十五夜踊りを永遠に続けられるよう島民全員で協力してほしい」と述べた。
 十五夜踊り保存会の仁禮和男さん(60)は「前回から通常開催になり、以前のように楽しい十五夜踊りが戻ってきた。島民の安心安全と五穀豊穣を願い、今後も踊り続けたい」と話した。