喜界町サトウキビ生産振興大会

製糖期を前に開催された喜界島サトウキビ生産振興大会

13日搬入開始、7万3千㌧見込む
生和糖業操業計画 春植え株出し収量伸びず

 喜界町の2023年度サトウキビ生産振興大会が24日、町自然休養村管理センターであり、島内にある大型製糖工場・生和糖業の23/24年産操業計画が報告された。12月11日からキビの刈り取りが始まり、工場への搬入開始は13日で前期(7万6千㌧)を下回る7万3千㌧の処理量を見込んでいる。

 製糖開始を前に年1回開いている大会(奄美群島糖業振興会、町さとうきび生産対策協議会、町糖業振興会)には、キビ生産農家や関係機関から約120人が出席。町糖業振興会会長の隈崎悦男町長は「『島の宝であるサトウキビ』を永続的に、安心して栽培できるよう今後も関係機関、生産者が一致団結して増産に向けて取り組んでいく必要がある。生産農家の皆さんも、しっかりと栽培管理などを行い、今後も生産に励んでいただきたい」とあいさつした。

 町農業振興課によると、前期の生産量は黒砂糖など黒糖を含めると7万7144㌧。今期は7万6千㌧を見込んでおり、夏植えは良好だが、春植え株出し体系で収量が伸びない見通しで、これが生産量・搬入量の低下要因となっている。品質面の糖度(ブリックス)は平均で20度を超えており、「今のところ過去最高。雨が少なく寒も入っており、生育では葉が十分に残っている」としている。生和糖業は今期も年内操業で、年内は12月27日分まで搬入を受け入れ、年明けは1月6日から再開する。操業期間は3月28日までの91日間を計画しており、2月と3月にはそれぞれ4日間の春植え推進期間を設ける。

 大会では、「喜界島におけるさとうきび栽培の振り返り」(県大島支庁農政普及課・豊永弥希農業技師)、「労働力不足が進む中で 楽してさとうきびで儲(もう)けるために」(県農業開発総合センター普及情報課・福山祐二農業専門普及指導員)と題した講演があった。

 この中では喜界島のサトウキビ栽培過去15年間のまとめとして、▽収穫面積=2017年をピークに減少傾向▽生産量=近年は約7万5千㌧前後で推移▽夏植えと秋植えの単収=最大約1300㌔㌘の差▽生産者=減少し続け、かつ高齢化―を挙げ、サトウキビ産地として喜界島を守っていくため「生産者の皆さんと関係機関が一緒になって取り組んでいきましょう」と呼び掛けた。