JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は30日、2023年11月の大島地区子牛競り市結果をまとめ公表した。子牛市況の総平均は41万2863円で、前回(9月)比4万756円下落、下落幅は前回(4万3366円)よりやや縮小した。3月市況以降下落傾向が続いているが、11月中旬以降は枝肉の買い入れが本格化するなど好転の兆しも見えつつある。
11月競りは2日の与論市場から開始、8日の喜界市場で終了した。全体の入場頭数は2018頭(雌916頭、去勢1102頭)で、全て売却。平均価格は雌34万6026円(前回比5万1072円安)、去勢46万8418円(同2万8735円安)といずれも下落した。
合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の43万9863円を筆頭に、沖永良部、奄美大島、徳之島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、与論の1654円を筆頭に、沖永良部1589円、徳之島1491円、奄美大島1454円、喜界1382円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界261日、与論264日、沖永良部264日、徳之島268日、奄美大島275日の順となっている。
相場下落の要因について、同駐在は「例年10月末から12月上旬にかけて年末需要の枝肉の買い入れが行われるが、今年はその動きも鈍く牛枝肉相場も先月と比較すると堅調に推移しているものの、例年程の値動きはない状況であり、それが子牛相場に影響したと思われる」と指摘。一方で、11月中旬以降は「枝肉の買い入れが本格化し、また、肥育農家も出荷が順調に出来ていることもあり牛舎に空きが出来たため、購買意欲が高まり子牛相場も順調に推移している」。牛マルキン(肉用牛肥育経営安定交付金)の発動も購買意欲の高まりに起因しているという。
子牛の血統、産歴、発育による価格のばらつきはあるが、「体の伸びのあるもの、深みのあるもの、前躯のしっかりしたもので血統の良いもの、産歴の若いものは、高値基調状況は大きく変わっていない」として、同駐在は「あと少し手を加えるだけで、子牛は変わってくる。日頃の管理をしっかり行い、商品性の高い子牛づくりに励んでもらいたい。長く畜産経営を続けてほしい」と呼び掛けている。