県議会代表質問

徳之島空港で行われた航空自衛隊F15戦闘機による連続離着陸訓練(11月13日)

「県も速やかに公表」
自衛隊訓練内容 苦情や障害は「発生なし」

 1日にあった県議会代表質問は自民党の西村協議員のほか、県民連合の前野義春議員=鹿屋市・垂水市区=も行った。前野議員は南西諸島での軍事訓練で11月10~20日にあった陸海空「自衛隊統合演習」を取り上げ、訓練内容の公表について当局は、県も速やかな公表へ取り組んでいることを説明した。

 答弁した長島和広・危機管理防災局長は「一義的に訓練の実施主体である国が公表すべきものであると考え、県は行っていなかった」とし、「昨今の安全保障環境の変化を踏まえ県において速やかに公表することとした」と述べた。

 F15戦闘機による連続離着陸訓練「タッチ・アンド・ゴー」の前提条件については「自衛隊から『航空自衛隊の航空部隊が四国沖で侵攻する航空機等への対処に参加した際、航空自衛隊の基地が利用できない事態を想定し、奄美空港または徳之島空港を一時的に対比する訓練を計画』との説明を受けた。前提条件や訓練内容については国が国防の観点から設定していると考えている」と答弁。

 住民からの苦情は「自衛隊に確認したところ、これまで2023年統合演習の実施により住民からの苦情や船舶の運航障害、電波障害が発生したとの情報は寄せられていない。県においても住民からの苦情は伺っていない」と答えた。

 統合演習での空港施設使用については安原達・土木部長兼本港区まちづくり総括監が答弁。県管理空港は条例に基づき算出した「換算単車輪荷重(航空機一つの車輪への荷物の重さ)が空港ごとに定める値以上となる航空機を使用する場合、空港使用届とは別に申請書の提出が必要。その場合に施設が当該飛行機の安全離着陸に耐え得るものか確認した上で許可している。今回の訓練では徳之島空港で輸送機の使用に伴う同様の手続きを行った」と説明。施設の損傷が発生した場合、「状況の把握や原因の特定を行った上で修繕を実施する。その補償は個別対応を検討することとしており、事前に特別な補償の取り決めは行っていない」と述べた。

 このほか奄美群島日本復帰70年を迎えての振興の在り方について西正智・地域政策総括監は「世界自然遺産登録を契機として総合調査(県実施)に基づく各種施策を行うことで自然文化と暮らし産業の両立を図り、持続可能な社会の実現を目指し世界のモデルとして奄美群島を発信したいと考えている」との方針を説明した。