奄美空港にオスプレイ飛来

屋久島沖墜落事故の「救難活動」として2日午前9時前、奄美空港に着陸した米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイ

屋久島沖墜落の「救難活動」1機は7時間も駐機
「欠陥機が欠陥機救うありえない」

屋久島沖で米空軍の輸送機オスプレイ(乗員8人)が墜落した事故で、県は2日、米軍からオスプレイ2機が奄美市笠利町の奄美空港を3日まで使用するとの届け出があり、受理したと発表した。使用目的は「救難活動、人員輸送」で、午前9時前に、事故機と別タイプで米軍普天間飛行場(沖縄県)所属のMV22オスプレイ2機が着陸したが、うち1機が午後4時前に離陸するまで約7時間も駐機、機体トラブルを不安視する声が上がった。

県港湾空港課によると、使用届は2日午前1時14分に同普天間飛行場から奄美空港事務所に提出された。使用空港施設は滑走路、誘導路、エプロンで使用日は同日と3日。就航路線は普天間~奄美空港~普天間。

奄美空港は県管理空港で、使用届を受理したことについて塩田康一知事は「今回のオスプレイの使用目的について、九州防衛局からは『救難活動に必要最小限のものと理解している』との説明があった。県としては、適正な使用届が提出された場合、法令上、受理せざるを得ないものであり、民間航空機の使用に支障がないことなども確認した上で受理した」との談話を発表。

届出を受理するに先立ち、県は同局に①安全に万全を期す②飛行経路・エリアと飛行時間について、時間的余裕を持って周知に努める③県民に事故のリスクが及ばないように陸上(特に市街地)を飛行しない―ことを米軍に要請するよう申し入れ。同局からは、米軍に要請するとの回答があったという。

また、奄美空港がある奄美市の安田壮平市長は「人命救助等ということで致し方ない一方で、事故直後であり多くの島民が不安を感じている中であり、懸念を禁じ得ない。一日も早く人命救助等を終え、早期の事故原因究明を尽くしていただきたい」との談話を発表した。

奄美空港へのオスプレイ飛来(2日)は、同課によると、午前8時51分に2機が着陸、10時33分に1機が離陸、午後0時58分に1機が着陸、1時30分に1機が離陸、3時50分に1機が離陸。計3機が着陸(空港使用届の提出あり)し全て離陸したが、午後4時前に離陸した1機は午前9時前に着陸した2機のうちの1機。7時間にわたって1機が駐機したことについて九州防衛局は「整備が必要だったため。(3機目が着陸したのは)支援するため」と説明する。

県護憲平和フォーラム奄美ブロックの城村典文事務局長は「長時間にわたり駐機した1機はオイル漏れが生じたのか、乗員が機体の周囲や駐機部分を拭いている様子のほか、機体のエンジン部分を開けて作業する様子が目撃されている」と報告し、「何らかの不備があったのは間違いない。欠陥機が欠陥機を救うのはあってはならないこと。米軍のやりたい放題であり、日本政府は国民の安全を守るため毅然とした態度で米軍に対しオスプレイの飛行停止を申し入れるべき」と語った。

なお、県によると、今回の奄美空港へのオスプレイ飛来で民間航空機の運航への支障や滑走路など空港施設への影響はなく、けが人の発生もないという。