県議会一般質問

県立高校普通科84%定員割れ
特別支援学級児童生徒数 10年間で6529人増加

 県議会12月定例会は8日、引き続き一般質問(最終)があり、岩重仁子議員=無所属、鹿児島市・鹿児島郡区=、藤崎剛議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、大久保博文議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、鶴薗真佐彦議員=自民党、薩摩川内市区=が登壇した。地方の県立高校普通科の定員割れと鹿児島市内への偏りについての質問で、普通科設置の県立高校38校のうち入学者が募集定員に満たない定員割れとなった学校は84%にあたる32校に及ぶことが報告された。

 地頭所恵教育長の答弁によると、中学卒業予定者の減少に対しこれまで学級学科の再編統合や募集定員の削減で対応、現在、1学年3学級以下の小規模校が約半数となっている。こうした小規模校について「離島や通学手段が限られた山間地域に多く近年、地域振興の核としての役割も期待されていることに加え、子どもたちの学びの場の確保という観点からさらなる募集定員の削減は慎重に考える必要があり、結果として充足率が低い現状となっている」と述べた。

 児童発達支援では特別な教育的支援を必要とする児童生徒数の推移が取り上げられた。地頭所教育長は答弁で「全国的な傾向と同じく本県でも年々増加している」とし、2023年度の公立小中学校等の特別支援学級の児童生徒数は8836人で、この10年間で6529人増加していると説明。また、通級による指導を受けている児童生徒数は1447人で、この10年間で607人増加。要因では「特別支援教育に関する理解や認識が高まり、その教育効果を期待する保護者が増えた」を挙げた。

 児童発達支援については房村正博・くらし保健福祉部長が答弁。県内での児童発達支援の事業所数は今年4月1日現在396か所に及ぶ。国が定めるガイドラインでは、障がいのある子どもの発達の側面から健康生活、運動感覚、認知行動、言語コミュニケーション、人間関係社会性の五つの領域において将来、日常生活や社会生活が円滑に営まれることを目標に支援することを定めている。

 房村部長は「学習塾習い事に類似した支援や見守りだけのものも見られ、事業所が提供する発達支援の質を上げることが重要な課題となっている」とし、国は24年度の報酬改定に向けて事業所に対し「ガイドラインで定める五つの領域全てを含めた支援を提供することを基本とし、これらの領域とのつながりを明確化して支援内容を示すプログラムの策定公表を求めることが検討されている」と述べた。