宮古崎トンネルで防災訓練

ドクターヘリによる負傷者搬送も想定された宮古崎トンネルの防災訓練(7日、奄美市名瀬)

ドクターヘリ搬送も想定

 奄美市名瀬根瀬部と大和村国直にまたがる県道名瀬瀬戸内線「宮古崎トンネル」(延長2316㍍)で7日、正面衝突事故による災害発生を想定した防災訓練があった。警察や消防、行政など7機関計約60人が参加。事故現場の交通規制や救助、消火活動のほか、ドクターヘリによる負傷者の搬送も想定され、関係機関の連携強化が図られた。

 防災対策の一環で、同トンネルでは、供用開始となった昨年に続き2回目。県が管理する島内の1000㍍を超えるトンネルで年1回実施。防災設備の使用、通行者の保護とともに関係機関の相互連絡や調整、防災活動の確立を図る。

 訓練は、走行中の車両が中央線を越え正面衝突し、負傷者した運転手2人が車内に取り残されたと想定。後続の目撃者が非常電話から通報し消防、医師が救助。知名瀬港多目的広場で待機するドクターヘリへの搬送とともに、車両火災を想定した放水も実施。警察による通行規制、現場検証なども行われ、一連の流れを確認した。

 奄美署の上牧瀬肇交通課長は「今回の訓練により練度が上がり、関係機関の連携がさらに強化されたと思う。宮古崎トンネル内の事故は22年の車両事故(物損事故)のみだが、来島者の増加が予想される今後に備え、事故発生時は迅速、適切な対応ができるよう願う」と講評した。

 今回、同トンネルの訓練に県立大島病院所属のドクターヘリが初めて参加。同院救命救急センター長の中村健太郎救急医は「連携面の課題が確認できた訓練だった。今後、より他機関との連携が図れるよう努めたい」と話した。