離島EV支援、上限に

脱炭素実現へ知名町で今年9月に行われた役場職員を対象にした低速電気自動車の試乗会

 

 

充電設備導入 22年度以降申請なし

 

 

 温暖化対策推進へ県は「地球温暖化対策実行計画」を策定し今年3月に改定したが、脱炭素社会・カーボンニュートラルへ電気自動車(EV)の普及は1割にも達していない。離島では支援事業を進めており、今年度は8月までに予算の上限に達する申請が出ている。

 開会中の県議会12月定例会で取り上げられ、平林孝之・商工労働水産部長が答弁で明らかにした。2021年度における県内の新車登録台数に占める電気自動車、プラグハイブリッド自動車(PHV)及び燃料電池自動車(FCV)の割合は0・7%にとどまっている。

 前年の20年度の割合は0・3%で、わずかな上昇。県の計画では30年度の新車登録台数に占めるEV・PHV・FCVの割合を「20%とすること」を目標に掲げていることから、平林部長は議会で「目標の達成に向けて電気自動車等や充電設備の導入支援などにより、さらなる普及を図る」と述べた。

 奄美群島など離島では電気自動車等購入支援事業が進められている。車両の購入に要する経費に対して1台あたり20万円(個人は1台のみ、法人は2台まで)を支援するもの。支援実績は、22年度は25台、今年度は既に上限に達しており30台の申請が受け付けられた。初年度登録された車両(新車購入に限定)を対象に申し込み締め切りは来年3月だったが、先着順で予算に達し次第終了となるとして、県では早めの申し込みを呼び掛けたところ8月で予算の上限に達し受け付けが終了した。

 県では充電設備の導入支援にも取り組んでいる。県内全体の実績は21年度20基、22年度43基を支援、今年度は11月現在で38基の申請を受け付けている。このうち離島の実績は21年度に3基支援しているが、22年度以降は申請なし。電気自動車の普及には、電気を供給する設備が欠かせないだけに離島での事業の活用が求められそう。

 県の事業は、充電設備の補助を実施することで、電気自動車などを安心・快適に利用できる環境を整備し、普及・促進を図ることで県内の温室効果ガス排出量の削減を目指すのが目的。補助対象者は法人、マンション管理組合、集合住宅の所有者、月決め駐車場の所有者など。設置場所は給油所、商業施設・宿泊施設等、マンション、事務所など。設備購入費の補助率は給油所の場合、国補助があると4分の1以内、なしは2分の1以内となっている。