「奄美日米文化会館」展スタート

展示を前に来場を呼び掛ける県立奄美図書館担当者

 

 

公共図書館、始まりたどる
戦後の写真や書籍など70点

 

 

 県立奄美図書館の前身となる「奄美日米文化会館」の歴史をたどる企画展が9日、奄美市名瀬の同館2階郷土コーナーで始まった。奄美日米文化会館を巡る米軍政下や戦後の写真や書籍、備品など約70点を展示。文化の拠点施設として活動した公共図書館の始まりを豊富な資料で振り返っている。28日まで。

 前身は1951年に発足した大島文化情報会館が始まり。48年に発足した当時の奄美博物館などの解消を受けて資料などを移設。54年に奄美日米文化会館に改名し開館した。

 当時は初期の公共図書館として図書館や博物館の資料などの保管も手掛けたが、米国の方針もあり、講座や展示会、映画上映など公民館的な活動が中心だった。

 企画展は、奄美群島日本復帰70周年を記念し公開。同館が保管する51年からの写真や書籍、備品など、初公開資料30点を含む計70点が並んだ。

 初公開となる米国配給の映画フィルムは、当時の上映日誌などを添えて展示。米軍政下時代から集められた写真帳では、スクエアダンス講座や生け花展などに親しむ姿なども見られる。コーナーを解説するパネルもそれぞれに展示した。

 担当者は「米軍政下、戦後当時、図書館は文化活動の拠点だった」と強調。「当時を知る人も少なくなり、今の若い人にこそ見ていただきたい」と呼び掛けた。

 会場には、当時のエピソードを募る思い出コーナーも設置。開館時間は午前9時~午後7時。入場無料となっている。