大和小 いじめと人権問題を学ぶ

いじめや人権について身近に感じた児童たちは身を乗り出すように聴き入っていた(9日、大和小)

 

 

「相手の立場で考えたい」
「悪口は戻ってくるよ」

 

 

 大和村の大和小学校(新村篤校長、児童23人)で9日、12月4~10日の人権週間、10日の人権デーにちなみ、「思いやりの心を育てる人権教室」があった。低学年と高学年は時間を分けて行われた。同村人権擁護委員の森千賀子(ちがこ)さん(68)と徳裕子さん(73)が、「人権とは何か」「他人の人権を侵害してはならない」とやさしく講義した。高学年の参加者10人は、「ふざけてやっているつもりでも、いじめにつながることを知った。相手の立場で考えるようにしたい」と、きっかけをつかんだようだった。

 森さんは「人権とは、生まれながらに誰もが持っている基本的な権利。幸せに生きる権利」と解説し、周囲が個々の権利を尊重する大切さを説いていった。さらに、「自分も大切、他人も大切」と思ってほしいと話した。

 子どもたちからの「自分が大事だと思ったことがない」「友達とけんかするとうれしくない気持ちになる」などの声にも耳を傾けた。

 人権侵害にも触れ、思いやりを持つ「美しい心と強い心を学んでほしい」と話し、〝一枝梅花和雪香(いっしのばいかゆきにわしてかんばし)〟という言葉(禅語)を示した。白い雪の中で一輪の花を咲かす白い梅は目立たないが、凛(りん)として香り個性がある―と、他人を敬う心を教えていた。

 4年・太大和尊(ふとり・たける)君(10)は「相手がどう感じるか分かった。けんかになったら、まず自分から謝る」と話した。

 5年・直島彩音加(しゅりか)さん(11)は「知らず知らずに差別につながることがあることを知った。周りと自分を比較するのではなく、過去の自分と現在の自分を比べ、愛される人間になろうと思う」と話した。
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 校内には、人権週間に向け子どもたちが書いた人権標語が貼ってあった。直島さんは、「悪口は戻ってくるよそのうちに」と書いていた。