東京奄美会が復帰70周年式典

式典であいさつに立った安田壮平奄美市長


絞めの六調は会場全体に踊りの輪が広がった

「先人たちの努力、語り継ごう」
芸能祭に歓喜

 【東京】東京奄美会(井上脩士会長、泰良宗男幹事長)は10日、大田区蒲田の大田区民ホール・アプリコ大ホールで、奄美群島日本復帰70周年の式典・芸能祭を開催した。来賓、奄美出身者合わせ約1200人が詰めかけ大盛況となった。参加者は、舞台で繰り広げられた、井之川夏目踊りやシマ唄など、古里の光景に歓喜していた。

 師走とは思えない20度近い最高気温、晴天のなか、奄美出身者らが大ホールを埋めた。郷土遥拝の後、泰良幹事長の司会で第1部総会が開幕。井上会長は「先人たちの努力で、復帰がなされたことを、子どもたちへ語り継いでいかなければならない。忘れてはなりません」と晴れ晴れとした表情だった。次期会長に選出された、瀬戸内町出身の宮地正治さんは「未来の東京奄美会のために、大樹の枝のようにさまざま巡らせ、執行部と共に頑張りたい」と意気込みを披露した。

 第2部の式典は、江浪まつみ事務局長の司会で進行。来賓紹介に続いて、森山裕衆院議員が登壇。「復帰80周年の時は、奄美は変わったと言われるよう、島民の熱意を受け止めて、奄美群島の振興のために精いっぱい取り組んでいきたい」とあいさつ。また、塩田康一県知事は「県としても、今後とも、奄美の振興、地域の発展に尽力したい」、安田壮平奄美市長(広域事務組合管理者)は「先人たちが連綿と築き上げてこられた島を礎として、未来へつなぎたい」と語った。ほか、三反園訓衆院議員、保岡宏武衆院議員らが壇上で奄美群島復帰70周年にメッセージを寄せた。

 奄美からは、有村修一・奄美大島商工会議所会頭らがあいさつした。

 その後、舞台監督をヤナギマンさん、司会を八波一起さん、小坂田上さんで芸能祭へ。伊是名の会が幻想的な世界観を表せば、井之川夏目踊り、加計呂麻島八月踊りなど郷土芸能が披露され、大きな拍手を浴びていた。里アンナさんも大河ドラマの主題歌などを熱唱、永井龍雲さんもルリカケスで場内の涙を誘っていた。

 ほか、前山真吾さんのシマ唄や徳永ゆうきさんらがステージを飾った。永井さんは「平和で復帰80周年を迎えられるよう、ひたすら願うだけです。奄美の皆さんを前に歌うルリカケスは格別」と振り返った。フィナーレは、六調、ワイド節で会場は興奮のるつぼに。余韻を楽しむよう、多くが祝賀会へ笑顔で移動していた。