富国製糖 搬入開始

奄美大島の大型製糖工場・富国製糖も12日からサトウキビの搬入受け入れを開始した

前年下回るも品質良好
生産量見込み 夏植え面積の減少で

 奄美市名瀬笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長)は12日、2023/24年期サトウキビの原料搬入・製糖を開始した。生産量は2万5600㌧を見込み、前期産を1895㌧下回る見通しだが、登熟状況から品質は良好だ。

 5期連続の年内操業。製糖期間は来年3月19日まで99日間(圧搾日数は同17日終了の66日)を予定。収穫面積は534㌶で、前期比1㌶減にとどまっているが、中山正芳所長によると、夏植え面積が23㌶も減少しているため、単収の低下が見込まれるという。1日あたり圧搾量は400㌧を予定。

 市町村別の生産見込み量は、奄美市笠利町2万4206㌧、龍郷町1224㌧、同名瀬地区50㌧、宇検村120㌧。初日は279㌧(前年250㌧)を受け入れ、平均甘しゃ糖度は15・05度(同15・23度)。最高16・7度で、最低13・4度だった。

 11月1日の最終生育調査では、茎長は夏春株平均で前年より5・8㌢減、茎数が同1・3本減といずれも減少した。登熟状況でブリックス調査は平均16・0度、同27日の調査では18・8度と上昇、前年の18・4度より0・4度高い。

 原料搬入式では有村社長があいさつし、「夏場に適度な降雨があり、8月6~7日にかけて台風6号の被害を受けたが、予想されたよりも勢力が弱く、甚大な被害を受けることはなかった。ブリックスの高さはサトウキビが健全な生育をしている証し。製糖終了まで工場は安全第一を心掛けている。輸送業者の皆さんも安全運転を心掛け、最後まで無事故で輸送が終了できるようお願いしたい」と述べた。

 出席した龍郷町の竹田泰典町長は「サトウキビは地域経済を牽引(けんいん)する重要作物。円滑な搬入、無事故を願いたい」とあいさつした。

 操業期間中は3回にわたって原料搬入を休止し、春植えと株出し管理作業推進を行う。