北大島保護区保護司会特別自主研修会では「自殺防止」について現状や予防方法などを学んだ
北大島保護区保護司会(松田秀樹会長)は13日、奄美市健康増進課が推進する「自殺防止について」をテーマに特別自主研修会をアマホームPLAZA(市民交流センター)で開いた。同市の自殺者数は2020年度から増加傾向にあるなど現状が報告され、日頃の困り事対応が自殺予防につながるとして「ゲートキーパー」の役割が説明された。
奄美市と同保護司会が初めて共同で開催した。松田会長によると、年3回定例研修会を開いているが、それ以外の特別研修会は数年ぶりという。保護司会、更生保護女性会から約40人が参加した。
講師を務めたのは同課の迫地法子保健師。人口10万人あたりで見た場合、同市の20年度の自殺者数は16・9人。上昇傾向にあり、男性の割合が約8割を占め、鹿児島県平均(72・2%)、全国平均(68・1%)を上回り、男女差が顕著となっている。年代別では20歳未満、20歳代、50歳代、80歳以上が全国より多い傾向がある。
奄美市の自殺の現状について、迫地保健師は▽増加傾向▽割合では、男性が特に高い傾向▽男性は若年・壮年期(働く世代)・高齢者の自殺死亡率が全国を上回っている▽女性の年代は30~50歳代が若干多い(国との差それほどなく)、近年では女性の自殺率も高くなっている―を挙げた。
予防では、「死にたい」人への対応だけでなく、日頃の「生きづらさ・困り事の対応」(子育て・介護・進路・疾患・失業・友達・親子・夫婦・職場の人間関係など)が自殺予防になるとして、ゲートキーパーの役割を強調。迫地保健師は「ゲートキーパーには誰でもなれる。悩んでいる人に気付き、声を掛け、話を聴いて必要な支援につなげ、見守る」と説明し、研修会参加者に理解を求めた。
研修会ではゲートキーパーの視点として①変化に気付く②話を聴く―を具体的に説明し、特に詳しく聴く「傾聴」の大事さを指摘、「困り事を聴くコミュニケーションスキル」を分かりやすく伝えた。