網野子トンネルで防災訓練

救助や消火などの訓練にあたる関係者たち

災害拡大防止で連携確認 10機関50人

 奄美市住用町役勝と瀬戸内町勝浦を結ぶ国道58号線の網野子トンネル(全長4243㍍)内で14日、交通事故を想定した防災訓練があった。県大島支庁や瀬戸内町、警察、消防関係者ら10機関約50人が参加し、通信、救助、防災などの一連の流れで連携。災害拡大防止への対応を確認した。

 事故は、住用側坑口から約1・3㌔地点のトンネル内で乗用車2台が正面衝突。車両からはオイルが漏れ、火災発生の恐れがあると想定した。

 訓練では、目撃者の通報を受けて警官が駆け付け、通行規制や避難誘導を進めた。救急隊員らは、救助した傷病者の症状を確認し搬送した。火の手が上がる車両では消防隊員らが消火活動を開始。鎮火後は警官らが現場検証にあたった。

 大島地区消防組合次長で名瀬消防署の伊集院正署長は関係者を前に「(トンネル内は)車が渋滞すれば被害が広がる。最小限の動きで生命を守ることが目的。スムーズな対応に意識の高さを感じた」と総括。県大島支庁瀬戸内事務所総務課の長井正彦課長は「世界自然遺産登録に伴い、これからは交通量も増えてくる。被害を広げぬよう一層の連携に努めたい」と呼び掛けた。

 網野子トンネルは、奄美群島内で最も長いトンネルとして2015年3月に供用開始した。瀬戸内署によると運用開始以降の同トンネル内での交通事故発生件数は、人身事故2件、物損事故2件の計4件。今年はまだ発生していない。