大和小「ミニミニわくわく博物館」オープン

来春卒業する6年生4人が赤い目を入れた

パネルには、1969(昭和44)年当時のアマミノクロウサギ飼育施設の写真も

シンボルはクロウサギ像
昭和の卒業生制作 6年生が赤い目入れ式

 大和村の大和小学校(新村篤校長、児童27人)で15日、アマミノクロウサギの飼育の歩みを振り返り、環境について学ぶ「ミニミニわくわく博物館」がオープンした。シンボルとして設置されたのは、同村教育長の晨原(あさはら)弘久さん(66)ら1970(昭和45)年卒業生(28人)が制作したアマミノクロウサギ像。正門にあったものを、子どもたちが登下校時に通る事務室前に移築、歴史年表や当時の写真パネルも設置された。同校の卒業生でもある伊集院幼村長や児童、保護者ら約40人が参加して、除幕式と目入れ式が行われた。

 同博物館は、正門にひっそり設置されていた像を「飼育経験のある同校の宝。未来に残したい」と、新村校長が村側に相談、宝をつなぐチャレンジ応援事業・アマミノクロウサギプロジェクトとして実現した。

 77年卒業の伊集院村長は「高学年になって飼育係をした。家からイモのつるを抱えて登校した。中学校ではふんの観察記録も付けた」と子どもたちに臨場感たっぷりに語り、建設中の「アマミノクロウサギ研究施設」(仮称)が、傷病個体の治療・野生復帰のためと説明した。

 班長として設計図を作成した晨原教育長は、毎日約千人が押し掛け、授業が中断されることもあったという当時の飼育施設の様子を話し、「50歳の誕生日(設置50年)には、ビールでひっそり祝った」と秘話を披露。「47年後には100歳を祝いにきてほしい」と語り掛けた。

 テープカットと除幕式があり、来年卒業を迎える6年生の児童代表4人(永田愛奈さん(11)、直島彩音伽(しゅりか)さん(11)、中村健心君(11)、郁島沙世さん(12))が、赤い目を入れた。

 郁島さんは「(アマミノクロウサギを飼育した)歴史を大切にしたい。奄美の自然と環境を大事にしたい」と話し、登下校時に毎朝見れることを楽しみにしていた。

 同校(当時は大和小中学校)は、63年から2匹のアマミノクロウサギを飼育、67年には生後2か月の子ウサギが生まれたが豪雨災害で犠牲になったという。90年、最後の個体が死に飼育は終了した。