角界入りを報告、安田市長と握手する伊波興輝さん(左)
10月に奄美市で開催されたかごしま国体相撲競技に県代表として出場した奄美市住用町山間出身の伊波興輝さん(23)が19日、市役所を表敬、安田壮平市長に大相撲入りすることを報告した。来年1月の新弟子検査を経て、尾上部屋に入門。初場所で初土俵を踏む予定という。
父・興一郎さん(59)と住用町相撲連盟の弓削洋一会長(62)と一緒に安田市長と面会した興輝さんは「まずは関取になることが目標。地元の期待に応えられるよう頑張りたい」と抱負を語った。
興輝さんは現在、身長190㌢、体重142㌔。小学校では空手、中学校では野球などをしていたと言い、「子どもの頃は相撲は嫌いだった」というが、住用中3年時には身長179㌢あり、その恵まれた体格から、相撲の強豪校である鹿児島商業高進学、相撲を始めた。日本大学3年生だった2021年には、全国学生相撲選手権無差別級で3位に入賞するなどした。
地元開催の国体に出場するため10月まで県スポーツ協会に所属していたが、国体終了を機に角界入りを決意した。今月中に、尾上部屋に仮入門。稽古を積んだうえで、来年1月14日に初日を迎える初場所での土俵入りを目指す。
弟子入りする尾上親方(元小結・濱ノ嶋)は熊本県出身で日大の先輩でもある。部屋には奄美市笠利町出身の千賀ノ浦親方(元前頭・里山)も主任の部屋付親方として在籍、後進の指導にあたっている。
弓削会長によると、住用町出身の角界入りは2人目。関取(十両以上)になった力士はいない。興輝さんは「初場所は一番下の番付の序ノ口からスタートすることになる。まずは関取を目標に稽古に励みたい。応援している地元の人たちのためにも頑張りたい」と話し、安田市長も「島の子どもたちに夢を与えられるような関取になって、奄美に戻ってきてほしい。応援しています」と激励した。