初めての雪に龍郷小児童 大はしゃぎ

児童のアイデアが詰まった雪だるまが完成した(20日、龍郷小)

サネンの耳、ナンテンの目
アイデアが詰まった雪だるま

龍郷町の龍郷小学校(住友智光校長、児童22人)で20日、世界自然遺産「白神山地」のある秋田県の南部・横手市から送られてきた雪を使った雪だるま作りがあった。全員、雪を見るのは初めてだという1・2年生6人が「雪だー。冷たーい」と大はしゃぎで雪を丸めた。ナンテンの赤い実で目を入れ、サネン(月桃)の葉でウサギに見立てた耳がつけられた。完成した雪だるまは同校の冷凍庫で保管され、22日の終業式で飾られる。

雪は、同校近くで商店を経営する地域110番見守り隊の宇都宮英之さん(66)の友人・高橋恵さん(秋田県横手市在住)が提供したもの。同市は、約80基のかまくらを並べた「かまくら祭り」で知られる。

奄美新聞の電話取材に、「今年は雪が少なく、スキー場に出向いて集めた。喜んでもらえうれしい」と高橋さん。ごみ袋3袋分を採集し、13日に冷凍便で発送したという。荒天で奄美大島への船便が運休となり、宇都宮さんの手元に届いたのは19日。

高橋さんは、サンタからの手紙として「南の島の頑張り屋さんへ。横手ではかまくらを作る雪です。雪だるまを上手に作れるかな」とメッセージを添えた。

届くまで時間を要したため、雪はざらめ状から氷状に固まり始めていた。子どもたちはスコップを手に細かく砕き、小さな手で雪を丸めた。「冷たくて手が動かなくなった」とバケツの湯で手を温めながら作っていった。

ナンテンの赤い実は目に、クロトン(観葉植物)で耳を、松ぼっくり(松かさ)を入れた帽子をかぶせて完成させた。ニンジンを鼻に見立てて刺そうとする児童もいた。クロトンの耳は、児童のアイデアでサネンに付け替えられた、

2年生の双子のきょうだい大野汐空(しずく)さん(8)は「雪は初めて。硬くて冷たかった。目を入れた」とうれしそうに話し、絃祐君は「大きな体に飾りをいっぱいつけた。食べてみたらおいしかった。どこから送られてきた雪なのか地図で確認する」と話した。

宇都宮さんは「友人は、雪は腐るほどあると言っていた」と笑い、「世界自然遺産同士の交流になった。児童のために続けていければ」と話した。