「E,more秋名」受賞

運営スタッフに受賞を知らせる村上裕希代表理事(20日=あらば食堂)

外貨稼いだ「あらば食堂」など評価
「あしたのまち・くらしづくり活動賞」

 独自の発想で地域・暮らし・人づくりに取り組む地域活動団体を評価・表彰する「2023年度あしたのまち・くらしづくり活動賞」(公益財団法人あしたの日本を創る協会、読売新聞社など主催)の主催者賞にこのほど、龍郷町幾里で地元食材を使った食堂や宿泊施設を運営する一般社団法人「E,more秋名」が選ばれた。20日夜に受賞の報告会と、1年の苦労をねぎらう祝賀会が開かれ、全国的な評価に運営スタッフの笑顔がはじけた。

 同協会のホームページ上では、「外貨を稼いだ食堂」「千人以上の宿泊客を呼んだ」などと評価点を挙げている。主催者賞は、内閣総理大臣賞など3賞に続く賞で、県で唯一選ばれた。

 同法人は2020年に開業。運営する宿泊施設「荒波(あらば)のやどり」や、地元のおば(女性)が日替わりでシマ料理ランチを提供する「あらば食堂」が雇用を生み、観光客など関係人口を増やす役割を果たしている。

 同食堂の火曜日担当・西田留美子さん(68)は、「親の味をそのままランチにしている。(同地区の)安木屋場(あんきゃば)で栽培している食用アザミや、ハマゴボウの葉を使ったかき揚げなど、地場野菜を中心に使っている」と話した。

 金曜日担当の山田ヤヱ子さん(80)は「メニューは一緒だが、曜日によって味が違うのが魅力」だと話し、本業の介護ヘルパーの休日にシェフを務めることが楽しいと笑顔で答えた。

 同法人代表理事の村上裕希さん(41)は「シマの食の魅力を体験する場がなかったのだと改めて感じた。スタッフのおもてなしが心地いいのでは」と語った。